□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月19日第171号 ■ ========================================================= もはや米国ができることは「攻撃するぞ」と脅かす事だけだ ========================================================= シリアの和平会議が見事に失敗に終わった。 そもそもこんな会議など初めからうまくいくはずがなかった。 だから私はおよそ関心もなかったのだが一つだけ注目した事がある。 それは米国が米国の対シリア外交は失敗だったと言い始めたことだ。 ケリー米国務長官が2月2日、共和党の重鎮であるマケイン上院議員やグラム上院議員に対してシリア和平会議は失敗だったと認めたという(2月3日ワシントンポスト)。 米情報機関のトップであるクラッパー国家情報長官が2月4日、下院情報委員会でアサド政権は(排除できるどころか)強化されたとして、オバマ政権のシリア外交の失敗を認めたという(2月6日毎日) ついにケリー国務長官は2月16日、シリア和平会議の失敗はアサド政権の非協力的態度と、アサド政権を擁護するロシアのせいだと批判するありさまだ(2月18日読売)。 そう思っていたら、発売中の週刊東洋経済最新号(2月22日号)でプリンストン大学のアン・マリー・スローター教授が書いた。 オバマ大統領はもう一度、シリアを攻撃するぞと言うべきだ、と、 これには驚いた。 私の言う通りの米国を姿を見事にあらわしている。 私は2月16日のメルマガ第161号で書いた。 米国は軍事力を行使することによってのみその影響力を世界に示す事が出来る、と。 軍事力を行使しない米国ほど外交下手で無力な国はないと。 その事が見事に証明されたというわけだ。 もっとも私はこのスローター教授の言うようにオバマ大統領が再び武力行使の可能性を示唆する事は「外交的に」正しいと思っている。 アサドもプーチンも米国が軍事力を行使すればひとたまりもない。 だからオバマ大統領がもう一度、このままでは軍事力行使をするしかないと出せば、あの時のようにシリアもオバマも譲歩するかもしれない。 もっとも同じ手を二度使うわけにはいかない。 アサド政権が自ら退陣しなければ今度こそ攻撃しなければならない。 やはり米国は武力行使をしてはじめて米国の要求を実現させられる唯一の国であると言いう事である。 もっとも米国は軍事力を行使して必ず失敗する国でもある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)