□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月3日第115号 ■ ========================================================= プルトニウムを処理するために原発再稼働を急ぐという矛盾 =========================================================== もはや原発を維持することのあらゆる矛盾が明らかになりつつあるが、この矛盾も相当なものである。 2月2日の毎日新聞が「首都と原発」という特集記事の中で書いていた。 安倍政権が原発の再稼働を急ぐ理由のひとつに行き場のないプルトニウム処理の問題があるという。 すなわち昨年の秋に米エネルギー省高官が日本の原子力関係者を前にしてこう言ったという。 「プルトニウムの使用目的は何か。日本が核武装すると思わないが、第三者も納得する説明が必要だ」と。 これを聞いた日本の原子力関係者は衝撃を受けたという。 その後米国のカントリーマン国務次官補が昨年12月来日し、日本原子力研究開発機構が東京都内で開いた会合で次のように迫ったという。 「日本の『余剰プルトニウムを保有しない』という政策を支持する。世界に対して責任ある決断を下す必要がある」と。 日本が潜在的核保有国になることを承知の上で米国は日本が原発を保有する事を認めてきた。 それがここに来て急に日本の余剰プルトニウムに警戒を示すようになった。 日本はそのような米国のご都合主義に対し、日米同盟関係が信用できないのかと毅然とした対応を取ればいいのだ。 ところがすべてに対米従属である外務省が米国の立場を次のように忖度して、米国のいう事に従うしかないと言って回る。 「米国は他国に示しがつかないと懸念している。再稼働しなければ日本は苦しい立場になる」と。 原発再稼働を急ぐのは電力需要のためではなかったのか。 経済成長のためではなかったのか。 もし余剰プルトニウムを持つなという米国の圧力も負けて原発再稼働を急ぐとすれば本末転倒だ。 余剰プルトニウムを原発再稼働に使っても使い切れないばかりか、使用済み核燃料処分の問題が出てくる。 どう考えても原発維持は不可能だ。 その事を政府は認め、原発なき日本に軟着陸するための途方もない後始末を今から手をつけざるを得ないのである。 それが原発ゼロ政策ということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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