□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月3日第114号 ■ ========================================================= 「韓国軍への弾薬供与」の欺瞞を見事に検証した記事を見つけた =========================================================== 発売中の週刊金曜日1月31日号に「官僚主導で名ばかりの国家安全保障会議」という見出しの、まさのあつこさんというフリージャーナリストが書いた記事がある。 これは秀逸な検証記事だ。 私が求めていたあの「韓国PKOへの弾薬供与」決定のいかさまぶりを見事に検証してくれる、日本で最初にして、唯一の本格的検証だ。 私は昨年12月23日に菅官房長官談話の形で突然発表された「韓国軍PKOに対する弾薬供与」の決定について翌日のメルマガで大いなる疑義を指摘した。 武器輸出三原則違反はおろか、憲法9条違反の疑いすらあるこのような重要な決定が、なぜ突然官房長官談話といういい加減な形で発表されたのかと。 しかもそれが鳴り物入りで出来た国家安全保障会議の初仕事であるという。 いまだ事務局の出来ていない段階で、果たして国家安全保障会議の関係4閣僚がどのような議論をして決めたというのか、と。 これらは徹底的に検証され、国民の前に明らかにされなければならないと指摘した。 ましてや、発表直後にこの弾薬供与が日韓間の外交問題に発展し、結局弾薬は日本に返却される形で終わってしまった。 しかし、その後メディアも国会も、まるでこの政策決定はなかったことにしようと言わんばかりに封印し、我々の記憶から忘れ去られてしまった。 そんな時に発表された、まさのあつこさんの検証記事である。 それは一言で言えば、南スーダンの情勢を何も把握していない東京の官僚たちが、「緊急で人道的必要性がある」という口実を前面に押し出して、これなら例外的に供与しても許されると判断し、そんな官僚たちのいい加減な判断を、国家安全保障会議の閣僚たちが鵜呑みにして決めた決定であったということだ。 しかも国家安全保障会議を設置した法律によれば、関係閣僚の合意が必要であるというのに、閣僚間の議論は一切なく、持ち回り閣議決という形式的な手続きで済ませてしまったというのだ。 まさのあつこさんの検証は、安倍首相の安全保障政策の危険性を見事に暴露してくれた。 その危険性は、安倍首相のタカ派的な政策の危険性だけではない。 国の安全保障にかかわる重要な政策決定が、官僚主導でかくもいい加減になされていることこそ危険なのである。 しかも、政治主導で決定するという鳴り物入りで出来た国家安全保障会議の初仕事がこれである。 つまり国家安全保障会議などというものはさらなる官僚主導の機関を作っただけなのだ。 メディアや国会は、まさのあつこさんの記事をよく読んで、自らの手で再検証をしなくてはならない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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