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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「米国に共和党政権ができれば親日的になる」という迷信
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年2月2日第113号 ■     =========================================================     「米国に共和党政権ができれば親日的になる」という迷信      ===========================================================    安倍首相の靖国参拝に「失望」を表明したオバマ政権に八つ当たりをして、「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。オバマ大統領だから言っている」、と世迷いごとを口にしたのは萩生田光一自民党総裁特別補佐なるお粗末な政治家だった。  その彼を私は1月18日のメルマガ第54号で批判した。  それは間違いであるばかりではなく日本政府が口にしてはいけない言葉だと。  そう思っていたら、新聞がそう書くならいいだろうと言わんばかりに、今度は日経新聞が書いた。  きょう2月2日の日経新聞の「風見鶏」というコラムで伊奈久喜特別編集委員が書いている。  なぜ日本は「共和党」なのかと。  そこで書かれている理由はこうだ。  かつてはソ連、いまでは中国といった共産主義国との最前線の緊張下にある日本は反共の共和党に傾く。  ベルサイユ会議で日本が提案した人種差別撤廃を葬ったウィルソン、日系人を強制収容所に隔離したルーズベルト、原爆投下したトルーマン、日本を軽視して中国を重視したクリントンらは、みな民主党大統領だったのに比べ、日米安保条約改定のアイゼンハワー、沖縄返還のニクソン、日系人に謝罪したレーガンはみな共和党大統領だと。  しかしそれらはこじつけだ。  それが言い過ぎなら、そういう傾向が見て取れるという程度だ。  それを証拠にきょう2月2日の共同通信は次のようなスクープ報道をしている。  すなわちハイド元米国議会下院外交委員長(故人)は共和党重鎮だったが、小泉首相が靖国参拝を繰り返した2005年と2006年に、首相はおろか閣僚による参拝にも反対するという書簡を当時の加藤駐米大使に送り、強い不快感を示していたことがわかったと。  きょう2月2日の産経新聞が報じたように、米国内に建てられた慰安婦碑を訪問し、日本を批判したエド・ロイド米国議会下院外交委員長も共和党だ。  当然のことながら米国は国益に関する重要な外交は超党派で一致する。  安倍首相の歴史認識は、文字通り米国の国益にとってこれ以上ない重要な国益にかかわる問題なのである。  伊奈氏はそのいい加減なコラムを次のように締めくくっている。  オバマ大統領はフィナンシャルタイムズの社説で「死に体政権の最長記録」と皮肉られているほどであるがあと3年は続く。安倍政権は普天間やTPPなど実務面で実績を重ねるしかない。そうすれば日米関係を低位でも安定させられると。  何のことはない。  対米従属に終始すれば、オバマの米国に見捨てられなくてすむと言っているのだ。  死に体のオバマでも見捨てられては大変だから我慢するしかないと言っているのだ。  安倍政権もお粗末だが、その安倍政権に迎合するメディアはもっとお粗末だという好例である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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