□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月2日第111号 ■ ========================================================= このままでは安倍首相は歴史に汚名を残すことになる =========================================================== 歴史認識をめぐる日本と中国、韓国との外交合戦はとどまるところを知らないごとくだ。 そしてその外交戦で日本は至るところで劣勢にまわっている。 たとえばフランスの漫画展だ。 韓国が、事実を誇張してまで慰安婦問題に関する反日政策を繰り広げている。 それはやり過ぎだ。 漫画に政治を持ち込むのは邪道だ。 私もそう思う。 日本の大使も懸命に反論している。 しかし結果として日本の立場が理解されたか。 逆である。 韓国の漫画ブースは盛況であったが、日本のブースは「日本」と英語で書かれたポスターだけだったという(2月1日産経)。 その理由を知ってさらに驚く。 慰安婦の強制連行はなかったという漫画を陳列しようとした右翼市民団体が、政治的に偏っているとして主催者側から撤去を求められたというのだ。 ドイツのミュンヘンで2月1日に行われた国際安保会議の場で、中国の全人代外事委員会主任は、「日本の歴史認識の誤りは日本の歴史教育の失敗のせいだ」とまで英語で酷評した。 これに対し岸田外相は日本語で積極的平和外交を繰り返すだけだ。 どちらが国際社会に訴求力があるか自明だ。 ついに米国議会下院外交委員長であるエド・ロイス氏がカリフォルニア州グレンデール市に建立された慰安婦碑を訪問し、「この像は人権運動と尊厳のためのもので、平和の記念物だ」と語ったという。 「靖国神社に安倍首相が行ったのは不適切だった」と述べたという(2月2日産経)。 いくら韓国ロビーが奏功したといっても、ここまで米国議会の下院外交委員長に言われるようではおしまいだ。 なぜ日本政府は外交攻勢を強めないのか。 いやすでに十分反論している。 安倍政権や外務省は能力の限りを使って外交努力をしている。 その結果がこの差である。 安倍首相の歴史認識が正しいなら、なぜそれが世界に通じないのか。 外交努力が足りないのなら、なぜ中国や韓国のようにもっと国を挙げて宣伝しないのか。 このままでは日本のイメージは国際的に失墜する一方であり、日本孤立化の道を歩むことになる。 愛国・右翼ならずとも、このままではいけないと思う。 しかし、安倍政権や外務省には打つ手がない。 中国や韓国の外交攻勢を、遺憾だ、やり過ぎだ、と非難するのが精いっぱいだ。 なぜ有効な打が打てないのか。 それはつきつめれば日本が加害者だったからだ。 加害者であったものが加害者意識を忘れた歴史認識掲げてどのように外交努力を重ねても、奏功するはずがない。 外交合戦に勝てるはずがない。 間違った歴史認識に固執して日本を後世にわたって貶め、世界の孤児に向かわせる安倍首相。 このまま安倍首相が中・韓との関係改善を実現できないまま終わるのであれば。その汚名を安倍首相は後世にわたって残すことになる。 安倍支持者はそれでいいのか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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