□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月26日第89号 ■ ========================================================= NHK新会長の暴言―どこまでの騒ぎに発展するだろうか =========================================================== 私がNHK新会長の暴言を知ったのはネット上の第一報だった。 これは大事件だ、政権末期というのは次々とこのような思わぬ事件が続出するものなのか、そう直感的に思った。 きょう1月26日の各紙の報道ぶりを見てあらためてその暴言のひどさを知った。 安倍首相の歴史認識に中でも、米国がこれだけは許せないと繰り返し警告してきた慰安婦問題について、あの橋下大阪知事と同じような発言をした。 これは日米関係にとって致命的だ。 政府が右ということを左というわけにはいかないと断言した。 権力批判というジャーナリズムの使命の放棄だ。 こんな暴言を、NHKの会長が、しかも就任記者会見で述べたのだ。 この会長人事は、安倍首相自らが、同じ考えの人物を選んで決めたと言われている。 任命権者である安倍首相の責任に直結する暴言事件だ。 さすがに朝日、東京、毎日は大きく報じた。 しかし、読売と日経はほとんど無視だ。 産経に至っては、これでやっとNHKの偏向報道が是正されると期待する始末だ。 私の関心はただ一つ。 この新NHK会長の暴言がどこまで安倍政権に打撃を与えることになるかだ。 当然ながら新会長を選んだNHK経営委員たちの責任にも及ぶ。 このNHK経営委員の人選もまた安倍首相が仲間内から選んだ人生であることは周知の事実だ。 新NHK会長は辞任を求める声を拒否して居直るだろう。 ここですぐに辞めれば安倍首相への打撃が大きくなるからだ。 しかし、そうすればNHK自体に影響が及ぶ。 ただでさえ安倍寄りの大越健介とか島田政男らが何を言っても色眼鏡で見られることになる。 新会長は早晩辞任せざるを得なくなる。 しかしNHK新会長の辞任だけで終わるとは限らない。 安倍首相にはNHKの番組編成に直接介入した前科がある。 それが今度は首相となってNHKを私物化しようとして失敗した。 しかも安倍首相の最大の外交問題となっている歴史認識にかかわる失態だ。 そう考えると、この新NHK会長の暴言事件は安倍首相が直面する難題の中でももっとも深刻な出来事である。 だからこそ安倍政権は必死になってこの暴言問題を抑え込むだろう。 そのことにメディアもまた協力するだろう。 果たしてこのNHK新会長の暴言問題はどこまで発展していくのだろうか。 それは私にもわからない。 しかし一つだけはっきり言える。 橋下徹は慰安婦問題で辞任はしなかった。 いまでも物理的に存在はしている。 しかし、あの暴言以来、彼の政治生命は終わった(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加