□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月21日第67号 ■ ========================================================= 小泉と安倍の死闘こそ今度の都知事選の最大の争点である =========================================================== 建前論を語れば東京都知事選挙は都政を担うにふさわし人物を選ぶ選挙だ。 だから候補者の掲げる政策を見て、候補者間の討論を聞いて、都民は慎重に選べということになる。 それに加えて今度は脱原発か原発維持かという日本の将来を決める選挙である。 だからこそ各候補者は公約を早く発表し、明確な原発政策を訴えろ、ということになる。 しかし、このような建前論を本気で求める有権者などまずいない。 それを証拠に細川・小泉の立候補宣言前は、近年まれにみるつまらない都知事選だった。 そこへ小泉元首相に支持された細川元首相が立候補宣言をしてから俄然注目されるようになった。 そして今ではその関心は専ら小泉元首相と安倍首相の一騎打ちに移った。 実際のところ私が最初に驚いたのは3月14日の細川・小泉共同記者会見における小泉元首相の細川応援宣言だった。 そこまで小泉氏が細川候補を応援するとは思わなかった。 しかしもっと驚いたのはその細川支援が、安倍首相に対抗するものだったという事を知ったからだ。 最近の報道は日増しにその事を書いている。 週刊フライデーの最新号がそうだ。 1月14日の細川・小泉会談は、きょうは旧歴でいう討ち入りの日だ、これは桶狭間の戦いだ、そう小泉首相が切り出したという。 発売中の週刊ダイヤモンド最近号がそうだ。 政治評論家の後藤謙次氏が書いている。 小泉元首相は山口知事選も脱原発候補を応援しに行くと、朋友である山崎拓元議員に語ったと言う。 安倍首相の地元で、安倍支援候補と敵対する候補を応援するということだ。 小泉氏は19日、自らのツイッターを開始したという(日刊現代1月21日号)。 本気で細川氏を勝たせようとしているということだ。 裏を返せば自分は安倍には負けないということだ。 19日に都内で開かれた自民党大会を欠席したという(1月20日各紙)。 もはや自民党に未練はないということだ。 私が最も驚いたのは、安倍首相が小泉氏にいう事に耳を傾けなかったということだ。 それどころか小泉氏を批判し、小泉潰しに動いたという。 安倍首相の女房役である菅官房長官に至っては小泉氏を罵倒しているという。 いい度胸だ。 小泉に安倍が勝てると思っているのか。 ここまで安倍・小泉が敵対することを防げなかったのは森喜朗の限界である。 森喜朗は結局、小泉を止められず、安倍・小泉の仲を取り持つことができないまま安倍首相に加担した。 今度の選挙で安倍が負ければ文字通り安倍は終わりだ。 逆に小泉が支える細川が負ければ、小泉神話はもろくも崩れ去る。小泉元首相は過去の名声のすべてを失って死んでいく事になる。 どっちに転んでもかつての清和会は雲散霧消することになる。 一足先に焼結したライバル派閥である旧田中派平成会の消滅とともに、自民党の時代が完全に終わったということだ。 日本の政治史における小泉・安倍の一騎打ちの意味は大きい。 そして小泉・安倍の死闘である以上、小泉進次郎の細川・小泉連合参戦は不可避である。 細川・小泉連合が勝てば自民党は分裂し、あらたな支配政党ができるのだからもはや進次郎は自民党にとどまる理由はない。 常に政権政党との連立を最優先し、立党精神とのジレンマに悩み続ける公明党は、細川政権と連合を組めばやっと矛盾が解消される。 自民党から決別できる絶好のチャンスが来たということだ。 かくして今度の東京都知事選は日本の政治構造を大きく変える歴史的選挙となる。 これ以上重要な争点はない。 これ以上面白い選挙はない。 原発候補者の一本化どころの話ではない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)