□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月16日第47号 ■ ========================================================= 公開情報だけでは分からない北朝鮮問題の闇 =========================================================== 特定秘密保護法がこのまま成立すれば状況は悪化するだろうが、これまでは公開情報を丹念に読み解いていけばかなりのことが分かる。 私のメルマガはそれで成り立っている。 しかしどうしても公開情報だけでは分からない問題がある。 北朝鮮問題もその一つである。 きのう1月15日の産経新聞が小さく報じていた。 東京地裁は1月14日、あの朝鮮総連本部の土地・建物の売却問題の決定期日を1月23日に指定したと発表したと。 私はこの記事に注目した。 そして1月23日に東京地裁がっどのような決定を下すかに関心を持たざるを得ない。 この物件をモンゴル企業が再落札したのは昨年の10月だった。 そしてその直後にモンゴル企業の実態や資金提供者について疑義がある事が散々報じられた。 常識的には売却不許可の決定が即座に出てもおかしくはないのに、その決定を東京地裁は今日まで引き延ばした。 政治的判断が働いている事は明らかだ。 しかしいつまでも引き延ばすわけにはいかない。 なんらかの判断が働いて1月23日の決定となったわけだ。 北朝鮮と日本との関係は拉致問題や核問題と絡んできわめて重要な政治問題だ。 しかも朝鮮総連本部は北朝鮮の事実上の在日大使館であることはもはや公然の秘密だ。 朝鮮総連本部の土地・建物を失う事は北朝鮮にとって死活問題だ。 だから落札した者は必ず北朝鮮のために便宜を図ろうとして落札する。 それに対して日本政府がどう対応するかということだ。 北朝鮮と日本の関係は表向きにはどんどんと冷却し、規制的になっている。 特に張成沢(チャンソンテク)氏の処刑以来、金正恩の北朝鮮はとんでもない恐ろしい国という事になっている。 しかし安倍政権の朝鮮総連に対する政策は制裁一辺倒ではない。 今度の朝鮮総連本部の売却問題についても、北朝鮮に厳しいというよりもむしろ北朝鮮に便宜を図ってやろうとする政府の意思が感じられる。 なぜか。 それは単に拉致問題の解決に向けて北朝鮮との関係をつなぎ留めておきたいという配慮だけではないように思われる。 安倍政権も小泉政権も、歴代の日本政府はもっと深いところで北朝鮮や朝鮮総連と利害関係があるのではないか。 北朝鮮による拉致を警察がつかんでいながら政府の配慮で動けなかった。 そのことが拉致問題をここまで大きくしてしまった。 そういう指摘が散々なされてきた。 これほど大きな朝鮮総連本部の売却問題にも関わらず、メディアは決して調査報道して国民にその実態を教えようとはしない。 そう思っていたらきょう発売の週刊実話1月30日号が書いていた。 「餃子の王将」社長の射殺事件は北朝鮮工作員による疑いがあると。 張成沢の資産隠しと関係がある疑いがあると。 もしそうならこの事件は間違いなく迷宮入りになるとその記事は書いている。 そう言われれば、この事件の報道もまた、朝鮮総連本部の売却問題と同様に、大手メディアの報道は抑制的だ。 国民は何も知らされない。 北朝鮮問題は闇だらけである。 しかしどのような背景があるにせよ、日本と北朝鮮との関係は改善されなくてはならない。 そのためには国民に隠すことなく正攻法で臨むしかない。 国交正常化と拉致問題の一括解決しかない。 間違った歴史認識に固執する安倍政権ではそれは出来ない。 細川挙国一致政権の下で小泉元首相に、今度こそ、国民の理解と支持を得て堂々と行なってもらうしかない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)