□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月6日第16号 ■ ========================================================= 日米関係の修復を急げといち早く警鐘を鳴らす正直な産経新聞 =========================================================== ヘーゲル・小野寺電話協議に関する米国防総省の発表を単独で取り上げることなく米国を挟む日中韓の外交戦の文脈でとらえて大きく書いたのが産経新聞であった。 すなわち1月6日の産経新聞は「日中韓 米挟み神経戦、靖国参拝後、綱引き活発化」という見出しで要旨次のように書いている。 靖国参拝によっても日米関係の本質には影響はない。だが日本にとっては「失望」を表明した米国との関係修復が急務であることも事実だ。韓国・中国の米国に対する働きかけは日本より先行しており勢いづいている。日本は4日に小野寺・ヘーゲル電話会談を行い、谷内NSC事務局長を訪米させて米国と協議するが、それに先立って韓国外相は7日にケリー国務長官と協議する。中国も日米の離反と対日包囲網の形成に躍起だ。米国を挟み、日本と韓中両国が綱引きを展開する構図で、微妙な神経戦が続きそうだ・・・ 産経新聞は正直な新聞だ。 ヘーゲル国防長官の小野寺防衛大臣に対する電話が、単なる日米に国防担当大臣間の問題にとどまらず、日米関係全体を揺るがす大きな意味を持っていることを素直に認め、日米韓中の間の重要な外交問題であると警鐘を鳴らしている。 これほど重要な外交であるのに、それを「駆け引き」であるとか「神経戦」などという言葉で矮小化しているのも産経新聞らしい。 意図的にそういう表現を使っているのだ。 深刻な外交問題であることを認めたくないのだ。 「靖国参拝によっても日米関係の本質は変わらない」、など強弁しているのも、深刻さの裏返しだ。 実際のところ、その強がりの一方で産経新聞はほかの新聞が書かない重要なことをいち早く書いている。 すなわち米国との関係修復を急がないとオバマ大統領の4月の訪日も危うくなると。 実はこの問題こそ日本政府が一番懸念していることなのだ。 そして、米国の軸足が日米から韓中へ傾けば日本国民の反発と不信感を招きかねないと。 一般国民はそこまではすぐにはいかない。 しかし自分たち右翼の中にはそういう意見が出始めているということだ。 すなわち右翼の中には安倍首相に対し米国を相手にせず独自の外交を行えと言い出す者が出てくると懸念しているのだ。 これは安倍政権を破滅に追い込む右翼の自殺行為である。 その危険性を産経新聞は知っている。 だから早く日米関係を修復せよと言っているのだ。 産経新聞は正直な新聞である。 いずれほかの新聞も書き出すだろう。 安倍首相は日米関係の修復を最優先しろと。 日米関係は、まもなくメディアが正面から取り上げざるを得なくなる重要な局面に入ることになる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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