□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月6日第15号 ■ ========================================================= 日本のウソ発表に激怒した米国 =========================================================== ヘーゲル・小野寺会談の中身についての発表をめぐる日米両国の対応の違いは、大げさな表現をすれば、近年まれにみる日本の対米外交史上の一大スキャンダルとして特筆さるべき醜態であると思う。 きょう1月6日の各紙がこの会談について小さく報道していた。 その内容は各紙によって多少の違いはあるがおおむね次のごとくだ。 米国防総省は4日、ヘーゲル国防長官が4日朝(日本時間4日夜)、小野寺防衛大臣と電話で協議したと発表した。 昨年12月27日に予定されていた電話連絡が延期されたことによる。 (筆者注:小野寺大臣が辺野古移転工事許可の決着について電話報告しようと申し入れたが安倍首相の靖国参拝のため米国は延期していたー12月29日東京新聞)。 米国防総省によるとヘーゲル長官は、日本が近隣諸国との関係改善に向けて行動するとともに、地域の平和と安全のために協力を進めることが重要と指摘。また、日米同盟強化に向けた継続的な日米関係の議論を期待していると語った。 これだけではピンと来ないかもしれないが、これは米国の日本に対する強い警告である。 このまま日本と中・韓との関係が悪化をたどるなら日米同盟関係に悪影響を及ぼしかねない。米国の忠告に従え、という事なのだ。 これは5日の朝にTBSやNHKが日本政府筋の説明を垂れ流した第一報と根本的に異なるものだ。 さすがにNHKは国防総省の発表を知ってあわてて昼のニュースで流した。 新聞は一日遅れで報じるから、さすがにTBSやNHKのように日本政府のウソ発表を書くことはできず、米国防総省の発表をきょうの一面に掲載した。 しかしその取り上げ方は小さい。 各紙が一様に認めているように、このヘーゲル国防長官の発言は、安倍首相の靖国参拝後としてははじめての米閣僚の発言である。 それにしてはあまりにも日本のメディアの取り上げ方が小さい。 なぜか。 それは各紙もまた日本政府の発表と国防総省の発表の違いを知っているからだ。 各紙も新聞の締め切りのタイミングに間に合うように日本政府がブリーフしていればTBSやNHKのようにウソ情報を垂れ流す危険性はあった。 この国防総省の発表は、日本政府に都合のいいような報道を繰り返してきた自分たちに対する痛烈な批判でもあったのだ。 だから大きく報道したくないのだ。 そんな中で産経新聞だけが産経新聞らしい正直な記事を掲載した。 これについては次のメルマガで書くことにする(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加