□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月3日第6号 ■ ========================================================= 靖国参拝についての菅官房長官の新年の言葉の深刻さ =========================================================== 新年とともに世界は動き出した。 昨日は休刊日だったが、きょう1月3日から各紙も今年の動きを報道し始めた。 米国こそまだ靖国参拝については新年の動きを見せていないが、中国や韓国は新年早々からさっそくあらたな動きを見せている。 中国の国営新華社は1日、12月31日に王毅中国外相が米・韓外相に連携を呼びかけていたことを明らかにした。 中国外務省の副報道官は1日、新藤総務大臣の靖国参拝について、これを安倍内閣の挑発行為だという批判談話を発表した。 安倍首相個人に対する批判から安倍政権批判へと批判を高めたのだ。 一方の韓国は、朴槿惠(パク・クネ)大統領みずから2日に潘基文国連事務総長と電話協議している。 韓国外相は1日、外務省職員に対し、歴史修正主義的な態度は孤立し、北東アジアの平和と協力の障害になると訓示している。 ところが日本政府の動きはどうか。 靖国参拝に対する首相、外相の姿がまるで見えないばかりか、電話外交ひとつ行なっていない。 それどころか新藤総務大臣が元旦に靖国参拝を行なって世界に喧嘩を売る始末だ。 そう思っていたら菅官房長官が読売新聞の橋本五郎特別編集委員との新春対談でこう述べている。 元旦に掲載された新春対談の続きだ。 「日中、日韓関係をどうするか。私は関係悪化の多くの原因は相手の国にあると思っていますが、過去の問題もあり、日本が耐える必要があります・・・戦略的忍耐が必要です」 などというとぼけた橋本五郎特別編集委員の質問に対し、菅官房長官はこう答えている。 「中国、韓国とは日本の立場を捨ててまで首脳会談をやる必要はありません」と。 これが安倍首相の名参謀役と言われる者の言葉だ。 安倍首相の靖国参拝後の言葉だ。 読売新聞は日本国民向けだけではない。 世界が読んでいる。 これが安倍政権の靖国参拝問題に関する安倍政権の新年の第一声なのだ。 そして菅官房長官は最後に次のように言っている。 「首相自身が述べている通り、謙虚に誠意をもってその思いを関係国に説明し、理解を求めていきます」と。 ところがこの対談の隣に読売新聞は「首相、年始から外交攻勢」という記事を大きく掲載している。 そこには外遊先として、岸田外相、小野寺防衛相の渡仏(1月9日)や安倍首相のアフリカ訪問(1月9日―15日)、スイス訪問(1月21日―23日)、インド訪問(1月25日―27日)、そして岸田外相のシリア和平会議(1月22日)、ミュンヘン安保会議(1月31日)出席が列挙されている。 そこには、中・韓・米との外交は一切ない。 まともな国民なら誰もが考えるだろう。 日本政府はもう少し真面目に外交をやったらどうかと。 日本の外交はすべてこどもの遊びの如くである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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