□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月6日第922号 ■ ============================================================= 中国の防空識別圏撤回にこだわる読売新聞の愚 ============================================================ よほど読売新聞は誤報がこたえたと見える。 きょう12月6日の社説のなかでも、次のように書いている。 バイデン副大統領は習近平国家主席と会談し、東シナ海に設定された中国の防空識別圏を認めないと述べた上で深い懸念を表明した。習主席は日米両政府の明確な意思表示に応えよ、と。 しかし残念ながら防空識別圏の撤回問題については、日米間でとっくに中国に譲歩している。 それを見事に示してくれたのがきょう12月6日の朝日新聞の一段の小さな記事である。 その全文を以下にそっくり引用して見る。 「谷内正太郎・内閣官房参与は5日、東京都内で講演し、中国が防空識別圏を設定したことについて『日本政府も米国政府も「撤回せよ」とまでは言っていないが、国際ルールにあったものにすべきだ』と批判した。安倍晋三首相や小野寺五典防衛相はこれまで撤回に言及しており、政府内で意見が分かれた」 この谷内発言は見事に読売新聞の誤報に至る背景を説明してくれている。 すなわち安倍側近筋が読売にリークした時点では、怒り心頭に発した安倍政権は米国を説得して日米の圧力で中国に撤回させようとしたに違いない。しかし米国はそれにはどうしても応じなかった。撤回は無理だから、そのかわり強い懸念を表明し、運用面で国際ルールを守るように迫ろうということにした。しかしその時点ではもはや読売はスクープ報道した後の祭りだ。 この舞台裏を隠すために谷内正太郎内閣官房参与はわざわざ講演で、最初から日米両政府はそう決めていたと話したのだ。 朝日は「政府内で意見が分かれた」などと書いているがそうではない。 政府は見事に結束したのだ。その結束ぶりは隠蔽するところまでしっかりと保たれているのだ。 誤報は読売新聞の早とちりだったのか、それとも読売新聞は誤報させられた上に谷内氏にハシゴまで外されたのか、それは分からないが、いずれにしても馬鹿を見たのは読売新聞である。 それにしても特定秘密保護法が出来てしまえばこのような谷内発言は見られなくなるのだろうか。 私はそうは思わない。 政府に都合のいい機密情報はむしろどんどん流される。 特定秘密保護法の最大の問題は、私が繰り返し指摘するように、政府がそれを巧みに使い分けようとすることにあるのだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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