□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年11月28日第900号 ■ ============================================================= 事務局不在で動き出す国家安全保障会議は失敗する宿命にある ============================================================ 何をそんなに急いでいるのかと思わせる記事だ。 きょう11月28日の各紙がいっせいに書いている。 国家安全保障会議(日本版NSC)設置法が11月27日に成立したことを受けて政府は直ちに12月4日に第一回の首相、官房長官、外相、防衛相による安全保障会議を開き、中国の防空識別圏への対応を急ぐ、と。 その一方で日経新聞が書いていた。 その会議の事務局である国家安全保障局は来年1月をメドに発足すると。 わが目を疑う記事だ。 事務局がないまま4大臣による国家安全保障会議が始まるという。 それはありえないことだ。 総理や主要閣僚だけで仕事が運ぶはずは無い。必ず官僚のお膳立てが必要だ。 しかもそれぞれの省庁は主導権あらそいをする。 取りまとめ役としての事務局は不可欠である。 もしそれが既存の内閣安全保障会議事務局が暫定的に行なうというのであれば、そもそも国家安全保障会議の新設などまったく不必要であることを自ら認めるようなものだ。 何故そんなに急ぐのか。急ぐならなぜ日本版NSCの発足とともに事務局を立ち上げてその出発を祝おうとしないのか。 その理由をきのうの日刊ゲンダイ11月28日号が書いていた。 内定していた谷内正太郎事務局長の人事が白紙に戻ったという説が永田町に流れていると。 東電や鹿島などの顧問をして月に数百万円の報酬を得ていることや、カジノ利権を狙うパチンコ業界との「密接関係」、さらには外務省の取引先に天下って利益誘導した疑いがあることを理由に菅官房長官が谷内人事に難色を示していると書いている。 しかしその日刊ゲンダイの記事は同時にジャーナリスト歳川隆雄氏の言葉を引用して、それはありえないとも書いている。 すなわち、すげ替えることは自分の人事が間違っていたと認める事になるから安倍首相が認めるはずがない、それにいまさら他の適任者など見つかるとは思えないと歳川氏は言っているという。 私は安倍首相や官僚に近い歳川氏の情報が当たっていると思う。 そしてそのような国家安全保障会議は最初から失敗する事が運命づけられているのである。 日本版NSCが12月4日に始動すると書いた読売新聞の記事の中に磯崎陽輔首相補佐官(内定)の次のような言葉が紹介されている。 「これまで外務、防衛両省にしか入ってこなかった外国の機密情報が直接、官邸に入ってくる意義は大きい」と。 こんなことを安倍首相が本気で考えているとしたら国家安全保障会議をつくろうとしたこと自体が間違いなのだ。 日本の縦割り官僚組織がそれを認めるはずがない。 既存の省庁を飛び越して官邸が直接情報収集や政策決定を行なおうとして成功したためしは無い 日本の指導者は縦割り省庁をうまく統率してはじめて政策を決定、実施できる。 それに気づかないようでは安倍政権はうまくいかない。 事務局長の人選以前の問題である。 国家安全保障会議ははじめから上手く行かないように運命付けられているということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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