□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年11月28日第898号 ■ ============================================================= これが我が国農業政策の歴史的大転換ならあまりにも情けない ============================================================ 11月25日のメルマガ第890号で、ついに安倍首相が林農水大臣に命じたと報道されたと書いた。 そして減反補助金の削減にもかかわらずJA全中が騒がない事が不思議だ、しかしどの新聞もその理由を書かないのは不思議だと書いた。 そして発売中の週刊ポストにその答えを見つけたと書いた。 すなわち東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が次のような解説をしていたと書いた。 農水省が11月6日に自民党の農林関係合同部会に提出した「現行施策の現状と課題、論点整理を踏まえた中間とりまとめ(案)」によれば、政府は主要食のコメづくりから飼料用や米粉用の米づくりに農政を転換し、そのたの補助金を大幅に拡充する。だから減反の補助金が廃止されても農家は困らない。おまけに主食用の米の生産は減らすのだから米の需要が減っても米の価格を下げずに済む。それどころか米価は高値止まりになる・・・ そのメルマガを書いた翌日の11月26日に、なんと政府は新たな農業政策を決定した事を知った。 それを11月27日の各紙がいっせいに書いた。 すなわち首相官邸で26日に開かれた「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長・安倍首相)の第9回会合で、林芳正農相が新たな農政案を提示し、了承されたと。 何の事はない。 安倍首相が林農相に減反を命じた時には、すべて政策は出来上がっていたのだ。 とんだ芝居だ。これほど国民を馬鹿にした話はない。 しかも27日の各紙がいっせいに報じたのは、長谷川氏が週刊ポストで書いたものと見事に一致している。 つまり新たな農政の概要はこうだ。 減反廃止とそれに伴う補助金を削減・廃止する。そのかわりに「日本型直接支払い」などというわけのわからない交付金を創設し、主食用米生産から飼料用米、米分用米への生産転換を図り、そのための転作補助金を拡充する。それに加えて「農地を守る活動」という、これまたわけのわからない大義名分を掲げてその活動を支援する交付金を創設する。 「農地を守る活動」とは何か。それを新聞はこう書いている。農道の草刈や、水路の泥上げ、農村の環境保全など、農業者の共同活動であると。 農業そのものとは直接関係のないまさしく農家の所得補償である。 それで農家が楽になるならまだわかる。 しかし小規模農家はさらに厳しい環境に追いやられるという。いまでさえ何とか耐えている状態で、経営はしんどくなる一方だという(11月27日産経)。 消費者負担だけが続き、消費者のメリットは全くないという(11月27日東京新聞)。 誰もが楽にならない農政の大転換とは一体何か。 そう思ったら、この農政転換はTPP交渉妥結に備え、企業の農業参加を促す規制緩和、農地の大規模化に向けた取り組みにほかならない(11月27日読売)ということらしい。 その裏でこの転換を歓迎し、利益を得ている者がいるはずでだ。 しかし誰が得をするのかはどの新聞も一言も言及しない。 これがわが国の農業政策の歴史的大転換だとすればあまりにも悲しい。 財務・農水官僚と族議員そして農家を食い物して来た農協幹部たちがこの国の農政を歪めてきたということだ。 そしてそれはこれからも続く(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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