□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年11月18日第863号 ■ ============================================================= 国民は小佐古教授の涙の記者会見を忘れたのか ============================================================ IAEAの助けを借りて日本政府は猛烈な勢いで福島事故の後始末の封じ込めを行なおうとしている如くだ。 いまに汚染水の海への放出はそれが健康被害に及ばない数値だから問題ないというお墨付きを得て韓国の輸入禁止はやめろとWTOに提訴するのではないかと思わせるほどだ。 来日中のIAEA除染専門家チームのレンティッホ団長が10月21日の記者会見で「1ミリシーベルトにこだわる必要はない」と語ったのもその一つだ。 それ以来、福島の除染問題と帰還問題が急に動き出した。 20ミリシーベルトにこだわると除染は不可能で帰還が出来ない事が明らかになった。 そこで一ミリシーベルトという基準を再び持ち出し、帰還促進と、どうしても帰還できない地域を限定して決着をつけようとしてる。 外堀を埋められた原子力規制委員会はついに11月末までに20ミリシーベルトという基準値に言及し、住民の帰還支援のための報告書を正式決定するという(11月12日各紙)。 本当にそんな事が報告書に書かれるのか。 そしてそれを安倍政権が了承し政府の政策として決定するのか。 ここで思いだされるのは2年半前の小佐古内閣官房参与の涙の辞任会見だ。 すなわち内閣官房参与だった、原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏は 2011年4月29日 、次のように述べて涙の辞任記者会見を行なった 年間20mSvの数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます、と。 この涙の記者会見は全国の国民に衝撃と感動を与え、政府の安全基準1ミリシーベルト採用のきっかけになった。 私はこれを2011年5月1日のメルマガ第312号で書いた。 小佐古参与が辞任記者会見で見せた涙に嘘はないだろう。彼の辞任は、自分の意見が聞き入れられなかったから腹いせに辞めたのではない。子供を放射線被害の危険にさらすことに鈍感なこの国の官僚や菅民主党政権の実態を国民に知らせたかったための辞任に違いない。放射線被曝の危険性を誰よりもよく知っている専門家の良心が流した涙だ・・と。 今度の帰還可能数値の20ミリシーベルト引き上げ方針が報じられて以来、私は誰かがこの小佐古教授の涙の記者会見に言及すると思っていたが、これまでそのような報道は一切見られない。まるで意図的に忘れ去ろうとしているかのごとくだ。 ならば私が書く。いまこそ小佐古教授の涙の記者会見を思い起こせ。 日本の原子力専門家の捨て身の告発を、我々国民は捨て去ってはいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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