□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月17日第770号 ■ ============================================================= 慰安婦問題 今度は産経新聞のスクープ報道だ ============================================================= 10月13日の朝日新聞が慰安婦問題についての日本政府のダブルスタンダードぶりについてスクープ報道をしたと思ったら、その朝日と競うように今度は産経新聞がスクープ記事を大きく特集した。 すなわち10月16日の産経新聞は政府がこれまでその内容を開示してこなかった平成5年(1993年)に韓国で行なった元慰安婦16名の聞き取り調査報告書を独自に入手したとして、その内容の杜撰さを暴露した。 そしてそのようないい加減な調査内容に基づいて作られた河野談話は、はじめから強制ありき、謝罪ありきの政治判断だったと批判する。 朝日が公開の極秘電報をもとにして調査報道をしたのに比較して、産経新聞が入手した調査報告書なるものがどこまで本物かは不明だ。 しかし、産経新聞の記事で注目されるのは、河野談話作成当時の責任者であった石原信雄元官房副長官に取材して、次の言葉を引き出しているところである。 「残念ながら当時の状況では身元調べというか、裏打ちするまで能力はなかった。あくまで信頼関係でやったわけだ。その信頼が崩れると何をか言わんやだ」 「証言内容をチェックする時間はなかった。私は担当者の報告を聞いて判断した・・・報告を聞いての心証で河野談話をまとめた」 周知の通り朝日と産経では慰安婦問題に関する立場が正反対だ。 従って同じスクープ記事でも、その趣旨はまるで異なる。 すなわち朝日は表向きには調査するといいながらその裏で調査に消極的だったという日本政府のダブルスタンダードぶりを暴いて、日本政府の慰安婦取り組み問題に対する不誠実さを厳しく非難する。 それに対して産経新聞のスクープは韓国での聞き取り調査そのものが杜撰でいい加減だったことをスクープし、そんないい加減な調査に基づいた河野談話は正当性がないと断じる。 しかし立場は正反対でも朝日と産経のスクープが等しく我々に教えてくれる事がある。 それは日本政府の対応の事なかれ主義である。 形ばかりの調査でお茶を濁し、右翼と左翼の双方から呈せられる疑問のどちらにも正面から答えようろしないところである。 今日の慰安婦問題をめぐる国論の分裂は、まさしくそんな日本政府がもたらした結果である。 これ以上慰安婦問題をめぐる論争を長引かせないためにも、安倍首相は一日も早く慰安婦問題の根本的解決策について国民に自らの方針を提示すべきであるが、安倍首相にはその能力も覚悟もないだろう(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加