□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月14日第762号 ■ ============================================================= 米国とアフガニスタンの安保協定交渉が教えてくれるもの ============================================================= きょう10月14日の各紙が報道している。 駐留米兵の地位に関する米国とアフガニスタンの安全保障協定の交渉が大筋で合意したと。 しかし、米兵の裁判権をめぐっては最後まで合意に至らず、最終的合意はまたもや持ち越されたと。 オバマ大統領は2014年にアフガンから駐留米軍を撤退させることを決めている。 しかしその後もアフガン軍の訓練・教育などで一部米兵を駐留させる。 その残留米兵の裁判権さえ米国が保持し続けると要求するケリー国務長官と、アフガンの主権回復を主張するカルザイ大統領とのせめぎあいである。 その報道の中で私が注目したのは次のくだりだ。 すなわちケリー国務長官は協議後の記者会見で「裁判権の問題が解決しなければ安保協定はありえない」と述べたという。 裁判権だけは譲れない、それを手渡すぐらいなら米兵駐留はできない、という米国の強い立場表明である。 その一方でカルザイ大統領は、「政権が決められることではない」と語ったという(10月14日産経)。 その意味するところはアフガンの各部族の代表で構成されるロヤ・ジルガの判断に待つほかはないという事だ。 アフガンの主権に対する強い意思表明だ。 この米国とアフガンの安保協定交渉が教えてくれる事は何か。 それは駐留米兵の取り扱いに見られるアフガン政府と日本政府の違いである。 岸田外相は10月8日の記者会見で、日米地位協定の運用を見直し、米兵の犯罪について毎月定期的に米軍の処分結果の通報を受けることで米国の譲歩を勝ち得たと宣伝した。 辺野古移転を強行するためのアリバイ工作だ。 しかしこのような子供だましについて社説で指摘したのはひとり東京新聞だけだった。 すなわち、日米地位協定の改定に踏み込んでこそ日本の主権を重視する日本政府のあるべき姿だと。 沖縄県民ならずとも日本国民なら誰もが思う指摘だ。 何故日本政府・外務省は日米地位協定の改定に踏み切ろうとしないのか。 その事を大手メディアは日本政府に要求しないのか。 その答えが今回の米・アフガン安保協定交渉の報道の中にある。 米国は米兵の裁判権だけは絶対に譲らない。 それを譲るぐらいなら米兵を撤退させる。 つまり米国との安保協定の存否そのものが問われる事になるのだ。 だからこそカルザイ大統領は自分ではその判断は出来ないと言ったのだ。 最後はロヤ・ジルガ、すなわちアフガン住民の判断だ、と言ったのである。 アフガニスタンでさえここまで真剣に臨む米国との安保協議が、なぜ日本に出来ないのか。 日米地位協定改定交渉はもはや日本政府の一存で決められる問題ではない。 日本政府は、アフガン政府のように、最後の判断を沖縄住民と日本国民に委ねるべきだ。 その結果、米兵が日本から撤退し、日米安保条約がなくなるようになっても、それは沖縄住民と日本国民の判断だ。 安倍首相はカルザイ大統領を見習うべきなのである。 日本にはアフガンのロヤ・ジルガが必要なのである。 その事を見事に教えてくれる米国とアフガニスタンの安保協定交渉の報道である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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