□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月7日第745号 ■ ============================================================= 戦争の概念の変化が平和・護憲論者につきつけているもの ============================================================= オバマ大統領が米国議会や世論の反対でシリア攻撃を止めざるを得なかった時、私は書いた。 米国は決して平和国家になったのではない。武力行使が出来なくなったのではない。米国は自らに向けられた脅威に対してはためらいなく武力行使を行い、それを議会も国民も支持するだろう、と。 それを見事に証明したのが電撃的に行なわれたリビア・ソマリアにおけるイスラム過激派に対する同時作戦の実行である。 しかし、この米国の軍事作戦こ対する批判の声は高まらない。 我々が、戦争や平和を語る時、そしてそれとの関連で国防や安全保障政策を語る時、それは国家間の戦争を念頭に置く。 しかし米国、中国、ロシアなどがお互いに戦争をすることは、もはやあり得ない。 なぜならば武力の破壊力の大きさゆえに、勝っても負けても国が滅ぶ危険性が高いことを知っているからだ。 いまや彼らにとっての最大の現実的脅威は、国家権力に抵抗する反政府武装抵抗組織による攻撃、すなわち「テロ」である。 そしてこのテロに対する武力行使については、国際世論はそれを批判することはない。 今度の米国のリビア・ソマリアへの攻撃に対する批判は起こらないし、勿論ロシアも中国も米国批判はしない。 それは彼らもまたテロに対する武力行使を是認するからである。 しかし「テロとの戦い」は立派な戦争である。 それどころか大国間の戦争が、その破壊力の大きさ故に起こらなくなったいま、「テロとの戦い」は唯一、最大の起こりうる戦争であると言えるのだ。 テロは無差別殺戮だから絶対悪だと思いがちだ。 そしてテロの中には確かにそのようなテロはある。 しかしテロの中で最も大きく、組織的なものは、国家権力の犠牲になった者たちの国家権力に対する武装抵抗である。 主権国家間の戦争がこれまでの戦争であるとしたら、国家と国家に抑圧された者たちの武装抵抗は新たな戦争なのである。 そしてそれは国家権力と抵抗組織の戦いであるが故にこれまでの国際法では対応できない戦争である。 だからといってそんな戦争が是認されていいはずはない。 いや非対称であるが故に戦いは残酷を極め、国家権力による人権蹂躙を裁く「法の支配」が及ばない。 平和・護憲論者こそそのような戦争に強く反対すべきであるのに、その反論は確立していない。 やがて日本国内で始まる安全保障政策に関する論議は、起こりそうもない国家間の戦争に対する防衛論議に集中し、現在進行中であり、これからもますます現実的になる「テロとの戦い」に対する政策について語られることはないだろう。 いまこそ平和・護憲論者の真価が問われる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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