□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年10月3日第735号 ■ ============================================================= 羽田国際枠のANA優先配分が語るこの国の政治介入の功罪 ============================================================= 10月2日に発表されたANAとJALに対する羽田国際便増枠の差別はどう考えても不平等だ。 しかしそうなることは既に以前からわかっていた。 そしてわかっていながらその不平等配分について誰も批判しない。 なぜか。そこにこの国の国策会社に対する政治介入の現実とその功罪がある。 周知のとおりJALは日本の国策航空会社であった。 国の庇護を受ける代わりに天下りや情実人事を受け入れ、健全な企業には許されない放漫経営に胡坐をかいてきた。 それだけが破綻の原因のすべてとは言わないが、JALは見事に行き詰まって破綻した。 しかし国策会社だから潰せない。 そう判断した民主党政権は、民主党政権の後ろ盾である京セラの稲盛氏に頼み込んで再生を図った。 成り手がなく、稲盛氏が民主党政権のために火中の栗を拾ったのか、それとも計算づくで社長を引き受けたのか、それは私にはわからない。 しかし民主党政権が稲盛JAL再生のために優遇策を講じた事は国民の知るところだ。 JALが短期間のうちに見事に再生した背景に稲盛氏の経営者としての手腕があったかどうかは私は知らない。 しかし、少なくとも民主党政権のJAL優遇策が無ければ、いかに稲盛氏に手腕があったとしても、ここまで短期間に再生させられなかったこともまた事実だろう。 JAL再建のための政治介入の裏で、ANAは明らかな不平等待遇を強いられてきた。その中で必死の企業努力をしてJALと競って来た。 当時からその事をANAはメディアで何度も主張して来た。 今度の羽田増便枠の配分でその差別を是正してもらわなくてはならないと、ANAは配分が決まる前から要求していた。 そしてその通りになった。 国交省がそれを認めざるを終えなかったのは、JAL再生に際してANAを不等に差別してきたことを国が認めたということだ。 しかし今度の羽田枠増便のANA傾斜配分もまた明らかに政治介入である。 なぜそれが批判されないのか。 野党となった民主党が自分たちが政権を取っていた時に行なった稲盛JAL優遇策が政治介入であった事を知っているからだ。 非難すればブーメランのように自らに返って来る。 だからと言って不平等な政治介入であることには変わりはない。 今度はJALが不満をぶつけている。 国際線の発着枠は一旦決められたら原則として見直されないという(10月3日朝日)。 1便当たり年間売上高で約100億円、営業利益でも約10億円稼げるという(10月3日日経)。 大きな格差だ。 今度のJALとANAの問題がいみじくも浮き彫りにさせたことは、国策会社に対する政治介入の是非である。 民間会社の存続は市場が決める。 しかし国の経済を左右するほどの大企業になると行政が介入する。 政治介入のすべて悪いわけではないだろう。 しかしいやしくも行政が介入する以上、国民から見てそれが公平で納得できるものでなくてはならない。 ましてや行政の介入の裏で利権が絡むようなことがあってはならないのだ。 今度の羽田増枠便をめぐる明らかな傾斜配分に対して、誰もそれを問題視せずに、その是非について議論さえ行なわれない背景には、行政の政治介入の難しさと不透明さがあるに違いない。 そして国策会社に対する政治介入については東電という最大の国策企業に対する政治介入が現在進行形で行なわれている。 今度の羽田増枠の配分問題について、これ以上騒がれないとすれば、政治介入の是非について話が波及することを恐れるからではないのか。 東電への政治介入の是非に話が飛び火するからではないか。 けだし国策会社に対する政治介入は大きな政治問題なのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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