□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月25日第717号 ■ ============================================================= たった一人でこの国の司法制度と闘う青木さんの勇気 ============================================================= この人はただものではない。もちろん褒め言葉だ。 その人とは福島県郡山市在住の元介護士である青木日富美さん(63)という人だ。 司法制度改革で導入された裁判員制度により裁判員になって強盗殺人事件に立会い、急性ストレス障害となった事を理由に国を相手に損害賠償を求めて提訴した人である。 その第一回口頭弁論が9月24日に福島地裁で開かれた。 青木さんは閉廷後、提訴して初めての記者会見に臨み、提訴の背景を語った。 その記事が今日9月25日の各紙で取り上げられている。 それを読んで私はこのメルマガを書く気になったのだ。 公けの場での陳述や実名を公表しての記者会見に踏み切ったこと自体が大変勇気のいることだ。 しかし私がただものではないと書いたのは、彼女の「たった一人でこの国の司法制度と闘う勇気」である。 繰り返し書いてきた通り、私は司法制度改革はこの国の司法官僚が主導してつくった欠陥の多い制度であると思っている。 そして最高裁を頂点とする司法官僚がつくる司法制度に一般国民が異を唱えることがいかに勇気のいることかを私は知っている。 しかし、それがどのように大胆なことであっても、正しければ強い。 その事を青木さんは身を持って我々に教えてくれているのだ。 裁判員制度の誤りの一つは国民に裁判員を強制するところにある。 国側(司法官僚)は「国民の司法参加を求めるための合理的な制度で辞退もできる」と争う姿勢をみせている(9月25日毎日新聞)ようだが、青木さんは、呼び出しの文面は、「出頭しなければ犯罪者にされてしまうという恐怖感を抱かせるのに十分だった」と言っている。 どちらが正しいかは明らかだ。 なぜ司法官僚は抽選と言う形でごまかして全員参加を強要するのか。 任意制にすればこのようなストレス場外の訴訟など起こり得ない。 納得ずくで裁判員になるのだから、後で気づいてストレスになっても誰も文句を言えないはずだ。 人はその意思に反して行動を強制されないという憲法で保障された基本的人権に違反するという事にならない。 なぜ任意制にしないのか。 それは、そうすれば辞退するものばかりになって裁判員制度そのものが成り立たないからだ。 人を裁きたいという者ばかりが裁判員になって公平な裁判が出来なくなるからだ。 つまり強制しなければ裁判員制度が成り立たないのだ。 そのような制度が正しい制度であるはずがない。 見ているがいい。それでも司法官僚は非を認めない。 司法官僚のプライドが許さないからだ。 そして裁くのもまた司法官僚であるからだ。 この裁判は国側の勝利になって終わる。 そしてその事自体がこの国の司法制度の矛盾を見事に証明することになる。 我々はこの裁判の行方を凝視しなければいけない。 たった一人で司法制度の非に挑戦し、司法制度の欺瞞を国民に教えてくれた青木さんに感謝しなければいけない。 いや、感謝するだけではいけない。 我々は青木さんの勇気に我々の勇気で応えなければいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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