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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

日ロ首脳会談の隠されたテーマはシリア情勢である
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年9月4日第660号 ■   =============================================================  日ロ首脳会談の隠されたテーマはシリア情勢である  ==============================================================  あすからロシアのサンクトペテルブルグでG20が開かれ、安倍首相も出席する。 G20とは主として金融や開発などの経済問題を扱う会議であり、今度の会議でも日本にとってはアベノミックスの正しさを世界に示す絶好の機会だなどと報じられている。  しかし、その直前に起きたシリア情勢の急展開は、いやがおうでも主要議題とならざるを得ない。  G20会議といえばその場を利用した首脳外交がもう一つの注目点である。  どの首脳が誰と首脳会談をするのか、しないのか。  どんな話をして、どのような進展があるのか。  それが国際会議外交として常に注目される。  我々が注目するのはもちろん安倍首相の動向である。  中国や韓国との首脳会談が出来ない事ははやばやと報道済みだ。  ここにきてオバマ大統領との首脳会談が急遽取り止めになった。  重要な首脳会談はプーチン大統領との首脳会談だけとなる。  だからメディアは日ロ首脳会談について盛んに報じるだろう。  そしてその報道は、もちろん北方領土問題の進展の有無であり、そのための取引材料としての我が国のロシアに対する経済協力である。  しかし、私は今度の日ロ首脳会談の隠れた議題はシリア情勢であると思っている。  果たして安倍首相は自分の方からプーチンが嫌がるシリア情勢に言及するだろうか。  そしてその時には、アサド政権の退陣に向けてロシアの協力を要請するだろうか。  結論から言えば私はしないと思う。  なぜか。  そんな事をしてプーチン大統領との関係が悪化することを恐れるからだ。  プーチン大統領との関係が悪化して北方領土返還に支障がでれば困るからだ。  しかし、これは日米同盟関係を重視する安倍首相にとっては、本末転倒の的外れ外交となる。  安倍首相にとって最も重要なのはオバマ大統領との信頼関係の構築である。  どのみち返って来ない北方領土問題などよりも、オバマ大統領との信頼関係を築くほうがはるかに重要である。  そのオバマ大統領はシリア攻撃を巡って苦しい立場におかれている。  アサド政権への対応をめぐってロシアのプーチンと激しく対立している。  ただでさえスノーデン事件やミサイル配備問題、人権問題で悪化した米ロ関係は、シリア情勢の対立も加わって今やG20で米ロ首脳会談が行なわれないほどの悪化ぶりだ。  安倍首相が日米同盟関係を重視し、米国との価値観を共有するというのなら、いまこそ安倍首相はプーチンよりもオバマとの関係を重視すべきなのだ。  しかも安倍首相はシリア情勢についてはいち早くアサド政権の化学兵器使用を批判してアサド大統領の退陣を求めた。  オバマの重い決断に理解を示した。  そして私はイラク攻撃のときの小泉首相のブッシュ支持とは逆に、今回はオバマの判断を正しいと考える。  ところがシリア攻撃反対の国際世論や、米国議会内でさえも反対の声があることに影響されて、安倍首相は立場を微妙に変え、化学兵器使用の確認の必要性とか、国際協調の重要性を言い出した。  これは明らかにオバマ大統領にとっては失望に映る揺らぎだ。  オバマがそのような優柔不断な安倍首相との会談は無意味だと判断したとしても不思議ではない。  おまけに安倍首相がプーチン大統領と首脳会談をしながらシリア問題を持ち出さないとなると、もはや日米は「共通の価値」を共有しない国となる。  小泉首相と安倍首相の決定的に違うところはここだ。  あの間違ったイラク攻撃を行なったブッシュを小泉首相はいち早く無条件で支持し、ブッシュを感動させ、ブッシュの信頼を得た。  イラク攻撃を支持した事は大きな間違いだったが、その間違いを認めずひるまず支持し続けた。  それに比べ安倍首相のひ弱さとブレは際立つ。  歴史認識、憲法改憲、靖国参拝などなど、自分の信念だと言っていたことを米国や国際批判にあって封印した。  間違ったことを封印するにはいい。  しかしアサドの責任を追及し、アサドの退陣を求めるのは正しい。  そのアサドを自国のエゴのために擁護するプーチンは間違っているのだ。  今回のシリア情勢に関しては、苦しい決断を迫られているオバマに理解を示すことは正しいのである。  対米従属ではなく、日本の自主的な対シリア外交、中東外交の結果として決断すべきなのだ。  間違ったイラク攻撃でもぶれずに支持し続けブッシュの信頼を勝ち得た小泉首相。  正しい事に自信が持てずにブレまくってオバマの信頼を失う安倍首相。  対米従属を繰り返してまで日米同盟を唱えながらその日米同盟を揺るがす安倍首相。  プーチンとの首脳会談は出来ても、オバマとの首脳会談は出来ない安倍首相。  安倍首相は間違った小泉首相よりも更に劣る首相である。  果たして日本のメディアは、この事に気づくだろうか。  シリアが日ロ首脳会談の隠れた重要なテーマである事に気づき、それを報道するメディアが一社でもあるだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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