□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月24日第636号 ■ ============================================================= 米国の歴史学者に見透かされた安倍政権の限界と日本の不幸 ============================================================== 8月20日の朝日新聞オピニオン欄に「米国から日本を見つめる歴史家」と題するキャロル・グラックという歴史学者のインタビュー記事が掲載されていた。 寡聞にして私はこの学者の事をまったく知らなかったが、経歴を見ると1941年生まれ、米コロンビア大学教授、米国における日本現代史、思想史研究の第一人者、となっている。 そのキャロル・グラック氏の安倍首相に対する評価は的確で、厳しい。 たとえば安倍首相の改憲志向について次のように語っている。 改憲を急ぐ必要などない。憲法9条を変えなくても既に自衛隊の役割は米国の圧力で劇的に変わった。将来日本が憲法9条を変える時は、もはや憲法9条を変える必要がないほど多くの事が実現している時だろう、と。 これは私が繰り返し指摘して来た事だ。 それを米国の識者が見事に見透かしているところがいかにも残念でくやしい。 そして彼女は安倍首相にこうアドバイスする。 仮に今、憲法9条改正に着手したら、政治のエネルギーを使い果たすだろう。そんな馬鹿なことをするくらいなら、中国や韓国そして東南アジア諸国との関係や、世界に果たす役割について真剣に取り組め、と。 これ以上ない痛烈な安倍首相のアジア外交に対する批判である。 私が最も驚いたのは安倍首相の歴史認識に関する次のような評価である。 彼女は言う。 この20年ほどの間で、国家が過去において行った行為についての新しい国際規範なるものが出来た、と。 たとえば欧州連合(EU)が出来る過程で、ホロコーストはヨーロッパ共通の記憶になった。EUの一員になるにはこの記憶の共有が要求されることになった。アルメニアの虐殺を求めないトルコがEUに加盟できない理由がここにあるというのだ。 これはトルコに対する強烈な批判と同時に、安倍首相の歴史認識に対する全面否定にほかならない。 日本政府は戦争の記憶に正しく対処しなければならなくない。安倍自民党政権がいくら日本の過去を正当化しようとしても、もはやこの「新しい国際規範」を背くのであれば世界から受け入れられない。米国議会が慰安婦問題で日本に対する非難決議をしたのも、この国際環境の変化の流れに過ぎないというのだ。 ナチズムと日本の軍国主義が完全に同一視されているということだ。 そしてナチズムや軍国主義の復活は世界が絶対に許さないと言っているのだ。 ここまで言われているのである。 この考えは、もちろんユダヤロビーと一体となった米国の考えである。 私はその考えのすべてが正しいとは、もちろん思わない。 しかし、安倍首相が正しく対米自立できないなら、この米国の歴史学者の警告を全面的に受け入れ、従わざるを得ないのだ。 米国に見透かされた軽薄な国家主義者である安倍首相の致命的な限界であり、そんな首相しか持てない日本の不幸である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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