□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月23日第634号 ■ ============================================================= マケイン議員にグアム移転の協力要請を行なった安倍首相の倒錯 ============================================================== 当たり前のように報じられているが、これを問題視しないほうがおかしい。 来日したマケイン米上院議員に対し安倍首相や小野寺防衛大臣がグアム移転の実現のために協力要請をしたという事についてである。 たとえば8月22日の東京新聞は次のように報じていた。 安倍首相はマケイン議員との会談で「日米同盟の強化には米軍再編の着実な実施が不可欠だ。(グアム)移転関連の適切な予算措置への協力を期待する」と要請したという。 小野寺大臣は「グアム移転が進まなければ、沖縄県の嘉手納基地より南の米軍施設の返還も進まない」と訴えたという。 本末転倒も甚だしい。 ここまで日本政府や官僚たちの考え方は、沖縄や国民の立場から離れ、自らの都合を優先するように思考が逆転してしまっているのだ。 そもそも米軍再編は米国が自らの安全保障政策の変更という都合から言い出したことだ。 それが米国の財政事情や米国内部の軍事戦略の変更によって、今やグアム移転は急がないということになった。 本来ならばこれを日本は歓迎すべきだ。 小泉政権時代に約束させられた巨額の財政負担の見直しを再協議できるからである。 ところが実際はその逆のことをやっている。 日本は約束した財政負担をそのままはやく支払いたいから、米国の方でも米国の財政負担分を約束どおり実施して欲しいというのだ。 こんな馬鹿げた話はないだろう。 なぜ日本は米軍再編の予定通りの実施を願うのか。 それは普天間施設の辺野古移転を予定通り進めたいからだ。 そうしないと沖縄の負担軽減につながらないからだ。 しかし、これはもっとおかしい。 そもそも日本は米国に対してはグアム移転とは関係なく、ただひたすらに沖縄の負担軽減を訴えるべきであった。 グアム移転とは関係なく、辺野古基地返還を求めればいいだけの話だった。 ところが米国は普天間返還と辺野古への新規代替施設建設をパッケージにした。 日本はそれに応じざるを得なかった。 ところが応じたために日本には辺野古移転に向けた利権が生まれた。 もはや辺野古移転は止められない。 だからパッケージとなったグアム移転は予定どおり行なわれなくては不都合なのだ。 繰り返して言う。これは本末転倒だ。 日本はひたすら普天間飛行場の早期返還を訴え続けるだけでいいのだ。 グアム移転を行なうかどうかはもっぱら米国の都合である。 そして米国自身が小泉政権時代と異なって、もろもろの状況変化によってグアム移転に疑義を持ち始めたのだ。 その一人がマケイン議員である。 よりによってそのマケイン議員にグアム移転を急げと日本が要請する。 どうりでマケイン議員の返答は要領を得ないものだった。 すなわちマケイン議員は安倍首相や小野寺防衛大臣のグアム移転の早期実現に向けた要請に対し、「重要なポイントだ」と述べるにとどめたという。 これはグアム移転は急がないという事だ。 米国が望まないグアム移転を日本が要求する。 これほどの笑い話はない。 日本の対米政策は根本的に倒錯しているというほかはない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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