□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月15日第614号 ■ ============================================================= 中東政策で完全に行き詰まった米国の窮地と日本 ============================================================== 私が外交官人生に終止符を打つ結果となったレバノン勤務。 そのレバノン勤務と引きかえに私が得たものがあったとすれば、それは米国の中東政策の矛盾を体験的に知り得たことかもしれない。 あれから10年。いま米国はその中東政策で歴史的な窮地に断たされている。 米国の不正義な中東政策はいまや完全に破綻したといってもいいだろう。 その一つがエジプトの混乱だ。 軍事クーデターとその後の混乱はエジプトという米国の中東政策の要を、もっとも不安定な国にしてしまった。 この混乱は予測不能なほど深刻だ。 下手をすれば混乱は長期化し、エジプトがテロの巣窟となるおそれさえある。 二つはイラクの宗派対立の激化である。 この事はエジプトの混乱の裏でかき消されているが、エジプトの混乱に負けず劣らず深刻である。 なぜ深刻なのか。それは米国のイラク攻撃が完全に裏目に出たからだ。 10年前のイラク攻撃は一体何だったのか。 大量破壊兵器がなかったことばかりが批判されるが、あの攻撃の本当の問題はそこにはない。 大量破壊兵器があってもなくても米国はイラク攻撃を断行した。 米国はイラクを中東全体を支配する拠点としようとしたのだ。 イラク戦争で検証されなければならない事はその事である。 しかし米国はその目的を達成できなかったばかりかその逆の状況を招いてしまった。 サダムフセインなきあとのイラクは不安定化し、米国が押さえ込もうとしたテロの巣屈となりつつある。 そしてもはや今の米国はイラクから手を引き、その混乱を収拾する気力さえなくした如くだ。 三つ目はシリア情勢の悪化だ。 テロを押さえつけるために利用したシリアの独裁政権に反逆され、イランに追いやった。 イラン・レバノン(ヒズボラ)・シリアの反米勢力の結集は米国にとって最悪のシナリオとなった。 そのシリアに打つ手はない。それどころかソ連の影響下に追いやってしまった。 そして四つ目は中東和平交渉の不毛である。 これこそが米国の中東政策の失敗の象徴である。 オバマやケリーがいくら中東和平を願っても、和平交渉の最中にパレチナ入植を公然と行なうようなイスラエルと、それを阻止できない米国に中東和平は実現できない。 そして中東和平が何時までたっても実現されないことこそが、あらゆる中東情勢の不安定化の根源になっているのだ。 米国の「テロとの戦い」の原因はここにある。 いま目の前で同時並行的に進んでいる中東情勢の混乱が、どれほど深刻なものかは、いくら強調しても強調し過ぎることはない。 いまの米国には解決不能である。 そして米国が解決不能ということは誰も解決できないということだ。 中東の混乱は続き、悪化していく。 米国は中東問題で手一杯となり国力を消耗させていく。 米国の衰退は、米国にすべてを委ねてきた日本の行き詰まりを意味する。 そしてその行き詰まりのツケは国民に押し付けられることになる。 中東情勢の不安定化は日本にとっても極めて深刻なのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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