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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

安倍首相の挑戦を正面から受けて立った歴史家・加藤陽子教授
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年8月16日第615号 ■   =============================================================   安倍首相の挑戦を正面から受けて立った歴史家・加藤陽子教授  ==============================================================  それまで侵略はなかったと言い続けて来た安倍首相が、内外の批判にたじろいで前言を翻したのは今年5月の国会答弁であった。  「歴史認識については歴史家に任せる」と言って幕を引こうとした。  この安倍首相の歴史家に対する挑戦を正面から受け止め、ならば歴史家としての責任を果たしてやろうと反発する歴史家が出て来ないものか。  私は当時そう思ったものである。  しかし歴史学者たちは見事に沈黙した。  それから3ヶ月、終戦記念日の季節がやってきて、ついに私はその歴史家を見つけた。  NHKの視点・論点という有識者による10分程度の時事解説番組がある。  8月15日の終戦記念日にあわせて放映されたのは、加藤陽子東大教授の「終戦の日と歴史家の役割」というものだった。  たまたまそれを目にした私は、これこそが5月の安倍首相答弁に対する歴史家の渾身の返答であると思って聞いた。  そこで彼女が語った歴史家の役割とは「死者(過去)と生者(現在)をつなぐ仲介者であること」、と「歴史の真実を提供すること」の二つである。  前者は、戦争体験者が死滅した後も、後々の世代にその証言を語り継いで行く重要性を言う。  とても重要なことだ。  しかし私が最も注目したのは後者である。  それを加藤教授は次のように具体的に述べた。  「戦争が起こされた本当の原因と、国家が国民に対して行った説明が異なっていたということ、この歴史の事実を伝えることが歴史としての役割にあると考えています」と。  そして彼女は要旨次のように続けたのである。  すなわち満州事変の計画者・石原莞爾が事変を計画した際念頭にあったのは、ソ連の脅威に対抗すべく国境線を北上させるため、そしてアメリカとの最終戦争の基地とするため、全満州を軍事占領することだけであった。しかし、このような真の意図は、国民の前には決して明らかにされなかったと。  軍や在郷軍人会は、満州事変の前の年、国防思想普及運動というものを全国展開したが、ある軍人が農民に向かって演説した内容を、後に満鉄調査部に勤務する石堂清倫が聴き取ったものから再現するとこうだったと次のように加藤教授は教えてくれる。  「諸君は五反歩の土地をもって、息子を中学にやれるか、日本は土地が狭くて人口が過剰である。このことを左翼は忘れている。だから、国内の土地所有制度を根本的に改革することでは改革はできない。ここでわれわれは、国内から外部へ眼を転じなければならない。満蒙の沃野を見よ。〔中略〕諸君は五反歩ではなしに一躍十町歩の地主になれる。つまり旦那衆になれる」  これが侵略でなくて何だと加藤教授は言っているのだ。  史実をもっと勉強しろと安倍首相に言っているのである。  歴史家は権力におもねって都合のいい部分だけを語るのではなく、一つでも多くの真実を発掘し、それを国民に提示しろと言っているのである。  私はこの加藤教授の視点・論点を偶然目にして一つの感動を覚えたものだが、その加藤教授がきょう8月16日の毎日新聞紙上で「戦争の原因と国の説明」と題してまったく同じ主張を繰り返していた事を知ってさらに驚いた。  加藤陽子教授は確信犯だ。  間違いなく安倍首相の国会答弁を正面から糾弾している。  すこしぐらいまともな勉強をしたらどうか。もっと歴史に謙虚になれ。と言っているのだ。  御用学者では決してマネのできない事である。  日本が変わるためには、加藤教授に続く歴史家がどんどんと声をあげてこの国の歴史学会の大勢にならなければいけない。  歴史認識についての不毛な議論が終るのはその時である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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