□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月14日第610号 ■ ============================================================= TPP二国間関税交渉を拒む米国とそれを許す日本 ============================================================== いい歳をした官僚たちがTPP交渉のオフアーリスト作成のために合宿を繰り返す。 これほど間の抜けたことはない。 我が国のオフアーリストなどとっくの昔に出来上がっていなければウソだ。 それが出来ていないということは、関係各省の利害調整が平時では進まず、交渉が始まって切羽詰ったからでないと本気で仕事に取り掛かれないということだ。 ことほど左様に、TPP交渉をめぐる実態は驚くべき矛盾を抱えている。 そんな矛盾の中でも、これ以上の矛盾はないと思われる記事を見つけた。 きょう8月14日の東京新聞が書いている。 「政府は8月13日、次回TPP交渉会合(8月下旬、ブルネイ)で、最大の焦点である農産品や工業品の関税をめぐり、米国以外の10カ国と二国間協議を行なう調整に入った」と。 なぜ二国間協議なのか。何故その二国間協議に米国は入っていないのか。 TPP交渉は多国間交渉であり、そのメリットを生かして利害の一致した国同士が合従連衡し、米国のゴリ押しをはねつけるのではなかったのか。 そのことは差し置いても、私が最も驚いたのは、その後に続く次のくだりだ。 「米国が次回会合での二国間協議に応じない構えを示していることから、他の国々との議論を急ぎ、関税協議の遅れ挽回を目指す」という。 「米国は10カ国との協議を先行させ、日本により高い貿易自由化率の達成を迫る戦略とみられ、ブルネイでは日本との個別関税協議に応じない姿勢を崩していない」と。 これほど日本を馬鹿にした米国はない。 これほど米国に馬鹿にされた日本はない。 米国の主目的である保険・医療や自動車分野は、「事前協議」や「並行協議」と称して早々と二国間協議で日本に譲歩を迫り、日本はあっさりとそれを飲まされた。 農産品については、日本との二国間協議では埒が明かないから、ほかのTPP参加国と結託して日本にコメの完全自由化を迫るということだ。 米国もまた農業分野では砂糖など国内産業を保護している。 ほかの農業保護国と結託して守るものは守り、他のコメ生産国と結託して日本のコメ市場の開放を迫るのだ。 今度のTPP交渉は、合宿をしてまで準備を整えて挑む、いわば日本にとっては総力をあげての一大経済交渉である。 その交渉が事前の段階でこの体たらくである。 敗北は目に見えている。 こんな交渉はまとまらないほうがいい。 そして実際のところTPP交渉は他国の利害がそう簡単に一致せず、年内妥結は無理だと言われている。 日本の交渉団が心すべき最低限の事は、「足を引張ったのは日本である」という悪者にされないことである。 すべてを取られた上で悪者にされる。 これほど愚かな交渉はない。 これほど日本国民を馬鹿にした交渉はない。 無能な官僚たちにそれをさせてはいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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