□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月13日第608号 ■ ============================================================= 人事の威力と残酷さ ============================================================== これから書くことは、その人生の中で一度でも組織の中で働き、人事の威力と残酷さ体験した事のある読者なら理解できるだろう。 きょう8月13日の日経新聞「旬の人 時の人」の欄に、8月1日付で海上保安庁初の生え抜き長官に抜擢された佐藤雄二氏(59)の紹介記事があった。 彼がどのような人物かは知らない。 そして彼がどのような人物であっても、私がこれから書く事は変わらない。 これまで旧運輸省のトップによる天下りで独占されてきた海上保安庁のトップ人事が初めて海上保安庁生え抜きの職員にとってかわった。 これは海上保安庁にとっては歓迎すべきことであり、なによりも抜擢された佐藤雄二氏にとっては光栄の極みに違いない。 しかし、それ故に、彼に期待されるものがある。 言うまでもなくそれは領海侵犯を繰り返す中国に対する警備強化だ。 安倍首相が佐藤氏を抜擢したのも、まさに海上警備を強化しろという隠された、しかし明確な命令があるのだ。 しかし中国が領海侵犯を繰り返すのは、尖閣諸島をめぐり安倍政権と中国政府が対立しているからだ。 この根本的問題が解決されない限り中国の領海侵犯はなくならない事は誰の目にも明らかだ。 海上保安庁の警備強化だけでは問題は解決せず、むしろ尖閣問題の対立を放置したまま海上警備を強化すれば、対立は深まり、危険性も高まる。 いくた佐藤氏が優秀な海上保安庁生え抜きの官僚であるとしても、彼が沿岸警備を強化したところで解決はしない。 それにも関わらず、佐藤氏は任命してくれた安倍の意向に沿って海上警備を強化せざるを得ない。 その期待に応えるために、海上保安庁の職員(海猿)たちに危険な活動を命じざるを得なくなる。 私は佐藤雄二という人物が、尖閣問題や対中関係にどのような意見を持っているかは知らない。 しかし彼がどのような個人的意見を持っていたとしても、安倍首相に海上保安庁長官という官僚人事のトップに抜擢された以上、安倍首相の期待に応えざるを得ないのだ。 同様の事は先般内閣法制局長官に抜擢された小松一郎氏についても言える。 彼がどのような個人的考えを持っていようとも、安倍首相の集団的自衛権行使容認の考えに忠実に従わざるを得ないのだ。 衆人環視の下で安倍首相の忠臣に徹するほかはない。 すべては長官という栄誉ある人事を受け入れた引きかえである。 人事はその人間の人間性までも変える威力を持っている。 人事の威力を知って、人を思うままに動かす。 これは権力者にとってこの上ない魅力には違いないが、残酷で卑劣なことである。 人事によってその人間の本性が分かる。 人事は人間が生きて行く上での最も重要な営みであるに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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