□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月11日第603号 ■ ============================================================= もはや避けて通れない日韓基本条約の再交渉 ============================================================== 御厨貴氏によれば米国と司法取引したからこそ「昭和天皇は訴追もされず、退位もせず、そのままでいることが認められた」のだ。 だから「(靖国神社へのA級戦犯)合祀は昭和天皇からみたらアメリカとの間に結んだ『司法取引』に違反する行為」であり、「(昭和天皇が合祀に)不快感を示されたのはむしろ当然」ということになる。 すなわちいくら安倍首相が戦後レジームを変えたくても、少なくとも米国との関係では変えられないのである。 しかし韓国との間の戦後レジームの変更は可能である。 それどころか、いまこそ、日韓関係の改善のためにそれを行なうべきなのだ。 8月10日の産経新聞「ソウルからヨボセヨ」というコラムで黒田勝弘記者が次のような衝撃的な光景を伝えていた。 「ソウルの日本大使館前が『慰安婦記念像』のため反日集会・デモで盛況だ。慰安婦支援の『水曜デモ』に毎週、押しかけるほか、各種の反日デモが毎日のように行なわれている。夏休みシーズンともなると小中学生まで遠征してきて一緒に反日を叫んでい・・・」 報道されないから日本国民は知らないままだが、こんな光景がソウルの日本大使館の前で連日行なわれているのだ。 こんなことが放置されていいはずがない。 こんな事が放置されていては日韓両国の関係改善は望むべくもない。 これはイデオロギーの立場の違いを超えて誰もが抱く思いに違いない。 それではどうすればいいのか。 慰安婦問題については、日韓両国の国家間で解決を図るしかない。 なぜそれが出来ないのか。 日本政府の立場は慰安婦の補償問題は1965年の日韓基本条約で解決されたからだという。 だから慰安婦問題は村山談話と村山基金による補償で解決したという。 しかしそれで完全解決とならなかったからこそ今の問題が起きているのだ。 しかも問題は慰安婦問題にとどまらない。 おりからソウル高裁は7月10日、戦時中の強制労働者に対する賠償金支払いを日本企業に求める判決を下した。 韓国人被爆者代表約80人が韓国政府に対し、日本政府に損害賠償を求める個人請求権があることを確認する集団提訴することを決めた。 これに対し韓国政府は2005年、当時の日韓交渉文書を全面公開した上で「日韓請求権協定(日韓基本条約)の対象に被爆者や慰安婦などは含まれない」との見解を示したが、その後韓国憲法裁判所は2011年8月、韓国政府に対し、日本政府に再交渉を求める判決を下した(8月7日朝日) だから韓国政府はそれを日本に求めざるを得ない。 つまり日韓基本条約の見直しは、もはや日韓両政府にとって避けられないのである。 そして日韓基本協定の見直しは、いまの朴槿恵政権にとっても難題なのである。 なぜならば朴槿恵大統領の父親である朴正煕大統領の締結した日韓基本条約の是非がいまあらためて問われることになるからである。 日韓基本条約に基づいて半世紀が経った。 その関係をどう清算し、将来につなげていくかは確かに難問だ。 しかしその難問に日韓両政府は取り組まざるを得ないのだ。 もはや今の日韓関係の改善は、日韓両政府の間の問題ではなく、それぞれの政府がそれぞれの国民とどう向き合うかという問題なのである。 この覚悟を持って安倍政権は日韓基本条約の再交渉を日本の方から朴大統領に提案すべきだ。 これこそが安倍首相がなすべき正しい戦後レジームのチェンジなのである。 政治家や官僚にはせめてそれくらいの仕事をさせなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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