□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月9日第597号 ■ ============================================================= 一大政治問題になりつつある東京五輪招致の行方 ============================================================== 五輪の開催都市が決まる国際オリンピック委員会(IOC)総会(9月7日、ブエノスアイレス)まで残り一月をきって、その行方をうらなう記事が目立つようになった。 この問題について私は7月14日のメルマガ第517号で書いた。 7月15日の日刊ゲンダイが2020年の夏季五輪開催地は東京ではなくマドリードに決定と、はやばや書いたのには驚いた、と。 なぜそこまで断言できるのか、そこまで断言できる確かな情報をつかんでいるのか、外れたらどう責任を取るつもりか、などと書いた。 そう思っていたら発売中の週刊現代8月17日・24日号が、「大逆転!2020年オリンピック 東京に決定」という記事を掲載した。 日刊ゲンダイと週刊現代はともに版元は講談社だ。 さてはどうころんでもいいように正反対の結論を書いたのか。 あるいは「東京開催はない」とする日刊ゲンダイの記事の信憑性が危うくなってきたので、さりげなくそれを否定しておこうとしたのだろうか。 しかし、そのような講談社の思惑は重要なことではない。 重要な事は東京開催があるかないかだ。 どうやら五輪の東京開催の有無は、ひとり猪瀬東京都知事の関心事だけではなく、いまや安倍政権の一大政治課題になりつつある。 なぜか。 それは東京開催に重要な影響を与えかねない要素として麻生発言と福島の原発事故が浮上したからだ。 そしてそれらはいずれも安倍自民党政権が抱える政治問題であるからだ。 麻生副総理は自ら五輪に出場した経験を持つ安倍政権の重要閣僚であり、五輪誘致活動にも関与して来た一人だ。 その麻生副総理が憲法改正に関してナチスを引き合いに出す大失言をし、それが国際問題になった。 五輪誘致の最終決定に影響を与えないはずはない。 もし東京五輪招致に失敗すれば、猪瀬知事の失言と並んで、あの時の麻生失言のせいだといわれかねない。 そうすればまたあの大失言が蒸し返されることになる。 その一方で、原発汚水の垂れ流し問題が原発事故処理の大きな問題として浮上して来た。 あの忌まわしい原発事故を再び世界に知らしめ、しかもその収束さえままならないという事が世界にばれた。 そんな危険な日本を五輪開催地とすれば招致委員会の良識が疑われる。 そもそもそんな日本に海外から五輪見学者が来るのかと言う問題がある。 だから安倍政権としても、五輪の東京招致をなんとしてでも実現したいのだ。 そこで次のような記事が出てくるのである。 すなわちきょう8月9日の朝日新聞が書いている。 9月のIOC総会に向けて東京が「震災復興」というテーマを再び強調しだしたと。 海外の放射能などへの不安から一度は復興と言う看板を降ろしたが、何故東京なのか、という疑問に答えるのは、「財政力」や「治安の良さ」だけではインパクトを欠く、もろ刃の刃でもいいから、やはり災害復興を支援するための五輪といえば胸を張れるというわけだ。同情を引くというわけだ。 安倍首相9月7日のIOC総会にあわせてアルゼンチンを外遊先に選んでいる。 自ら総会に出席して開催を訴えた矢先に東京開催が敗れると面目丸つぶれだ。 自らの政治指導力さえ疑われかねない。 行く以上は勝算がないと行けない。 もし今後の外遊日程の確定段階でアルゼンチン訪問が変更されるとしたら、五輪の東京誘致はないということだ。 かくて五輪の東京誘致問題の行方は安倍政権の一大政治課題となりつつある。 その帰趨から目が離せない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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