□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月9日第596号 ■ ============================================================= それでも安倍晋三は集団的自衛権行使容認に踏み切る ============================================================== 8月2日の読売新聞のスクープ報道から始まった内閣法制局長官の人事は、その後予定調和のごとくまたたくまに進み、8日についに解釈改憲派の小松一郎駐仏大使が内閣法制局長官に任命された。 歴代の内閣法制局長官が継承してきた憲法9条の解釈を、小松新長官はあっさり変えることができるのか。 歴代の自民党政権が踏み切ることの出来なかった解釈改憲を、安倍政権は出来るのか。 そんなに簡単な話ではない。 誰もがそう考えるに違いない。 この点について元法制局長官の坂田雅浩氏がきょう8月9日の朝日新聞のインタビューに答えてこう述べている。 「自衛隊の存在が許されるのは、国民を守るために外国の攻撃を排除するだけの実力組織が必要だからだ。それを超えて海外での武力行使まで許されるというのは、憲法全体をどうひっくり返しても余地はない」と。 「政府の憲法解釈は自衛隊発足からこれまで一貫している。この解釈がおかしいという論理をどう見つけるのか」と。 そう述べた上で坂田氏は、「私なら、これまでの憲法解釈を首相にご理解いただくべく非常に力を注ぐ、過去の経緯を理解してもらう努力を(内閣法制局の)他の幹部たちはすると思う」と述べている。 しかし、私は安倍首相はそれでも解釈改憲に踏み切ると思う。 この坂田氏のインタビュー記事の横に小さく掲載されていた菅官房長官の次の言葉がそれを見事に物語っている。 すなわち菅官房長官は小松一郎新内閣法制局長官の人事を決めた後の8日の記者会見で次のように語った。 「内閣法制局は内閣を補佐する機関で(あり)、憲法解釈はあくまでも内閣の責任で行なう」と。 これを要するに小松一郎氏を内閣法制局長官に任命した理由は、政府の憲法解釈に異を唱えない人物にしたに過ぎないということだ。 坂田氏のような人物が内閣法制局長官にいると、反対されて面倒な事になる。 それでも安倍・菅政権は解釈改憲をする。 しかしその場合は反対する法制局長官や幹部を更迭しなければならない。 そうするとますます強引な印象を世論に与えてしまう。 それが面倒だから、言いなりに従う官僚を内閣法制局長官にしただけなのだ。 いまの安倍首相には、あの小泉首相以上に、歴代の自民党政権の解釈など意に介さない強引さがある。 小泉首相の強引さは、「自民党をぶっ壊す」という個人的な強引さだった。 しかし今の安倍首相の強引さは、壊れた後の自民党が再び政権をとり、皆が支える自民党政権の強引さがある。 その安倍自民党政権を咎める野党が不在になった故の、かつてない強引さがある。 その気になれば、過去の自民党政権の積み重ねなどお構い無しに改憲解釈できるのだ。 小松一郎新内閣法制局の役割は、「憲法の番人」としてそれを追認するだけの役割だ。 かくして集団的自衛権行使容認の憲法解釈は行なわれる事になる。 もっともだからと言って私は悲感はしない。 坂田氏がインタビューの中でいみじくも指摘しているとおり、集団的自衛権の行使とは海外で戦闘に加わるという事であり、自衛隊員に犠牲者が出ることや自衛隊員が他国の軍人を殺傷することになる。こんなはずじゃなかったと国民が気づく。 それをおそれて米国の後方支援しかできないような集団的自衛権の行使ならこれまでと同じだ。 使えない攻撃的装備をどんどんと米国から買わされて、自衛隊のオモチャを増やし、国民の税金を無駄遣いするだけだ。 笑い話だ。 ふざけるなということになる。 私は安倍首相の集団的自衛権行使容認を危惧しない。 やれるものならやってみろと思っている(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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