□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月3日第574号 ■ ============================================================= いまこそマンデラの「和解」精神が求められる ============================================================== 麻生失言の批判記事が溢れるなかで、8月2日の毎日新聞に注目すべき記事が掲載されていた。 すなわち麻生発言にいち早く噛み付いたユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センター(本部・米ロサンゼルス)がホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に関与してまだ訴追されていない戦争犯罪人の情報提供を呼びかける一大キャンペーンをドイツで開始したという。 そのキャンペーンを呼びかけている同センターのイスラエル所長であるエフライム・ズロフ博士が7月23日にベルリンで行った記者会見の次の言葉は象徴的だ。 「戦後は別の人生を歩み、既に年老いた人を訴追することに意味があるのかとよく聞かれる。だがおぞましい大量殺人の罪は時の経過で消えるものではない。高齢でも出廷に耐えられるなら、必ず法の裁きを受けさせる」と強調したという。 これを要する一度犯した罪は未来永劫、これを許さず、非難し、責め続けるということだ。 その目的達成の為に、使えるものはすべて使って自らの正当性を主張する。 しかし、世界中のあらゆる被害者たちが、このユダヤの犠牲者と同じ事を行なえばどうなるか。 そこに残るのは永遠の憎しみ合いでしかない。 国が国策としてそれを行なえばどうか。 終る事のない攻撃と反撃である。 対照的なのがマンデラ南アフリカ大統領が示した「和解」である。 南ア白人の人種差別と弾圧から受けた南ア黒人たちの犠牲とホロコーストの犠牲のどちらがより大きかったか、などという比較は無意味だ。 南ア黒人たちが受けた犠牲もまた、南ア黒人たちにとっては永遠の憎しみに違いない。 それを知ってなおマンデラは南アの黒人たちに「和解」を求めた。 当初、多くの黒人犠牲者たちとその家族は、それに反発した。 しかし最後はマンデラに従った。 いま中東でイスラエルとパレスチナの和平交渉が開かれている。 しかし、これは今までの和平交渉がそうであったように、成功しないだろう。 ホロコーストの犠牲になったユダヤの国家であるイスラエルが、今度はパレスチナ人を差別、人権弾圧し、ホロコーストを繰り返している事に気づかないからだ。 犠牲を永遠に忘れないユダヤ人が、パレスチナ人たちもまた同じ恨みを抱いている事に気づかないからだ。 麻生発言批判が飛び交う日本のメディアの中で、「和解」の重要性を唱えるものは皆無である。 反ユダヤは永遠に許さないというユダヤ人の攻撃性の行き過ぎに疑問を投げかけるものは皆無である。 麻生発言たたきの裏で壮大なテーマが見過ごされている。 「和解」こそが人類共存の最後の砦である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加