□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月2日第573号 ■ ============================================================= スノーデン事件に思う(分水嶺に立つ国際政治と日本の漂流) ============================================================== ついにスノーデン氏のロシア入国が認められたようだ。 スノーデン氏が無事に安全な最終地に亡命できるかどうかは予断を許さないが、これで当面の彼の身の危険は遠のいたと言える。 アサンジュのウィキリークスの支援が大きかったに違いない。 アサンジュとスノーデンを反逆者ではなく英雄であると評価する私にとっては歓迎すべきことだ。 しかしこのメルマガで書きたい事はその事ではない。 今度のスノーデン事件が持つ国際政治上の重大な意味を考えてみたい。 私はこの事件が発覚した直後の6月29日のメルマガ第475号「一大国際問題に発展したスノーデン氏の逃亡劇と米国の窮地」で書いた。 スノーデンの亡命を許さない米国は、スノーデンを受け入れようとする国との関係を悪化させても引渡しを要求するだろう、それでも引渡しを拒む国が現れるなら、その国との間で大きな外交問題に発展するだろう、と。 正直言って私はそのメルマガを書いた時点では、ここまで大きな外交問題に発展するとは思わなかった。 しかし8月1日の発売された月刊情報誌「選択」8月号の記事「『米国封じ』で中露が共闘」-『スノーデン事件』で浮上したこと」という特集記事を読んで、この事件が国際政治に与える本当の深刻さを知った。 その記事の要旨は一言で言えばこうだ。 すなわち米国も中国もロシアもスノーデンの持つ極秘情報の決定的な重要性を知っている。 米国はそれを知られる事は外交的に致命的と考えるが中国、ロシアはすでにその一部を入手していると見るべきだ。 いくら米国が中国やロシアに外交的圧力をかけても中国やロシアが協力に応じない。 これは中露が共闘して米国の覇権を封じようとしているのだ。 かつての米国ならそれを許さなかった。 かつての中露はそこまで米国との関係悪化を覚悟できなかった。 しかしもはや国際政治のバランスは変わりつつある。 米国の対外影響力は低下している。反米国家はかつてなく増えている。 オバマ政権は国内問題で苦しんでいる。 イランの核問題、シリアの内戦をはじめとした中東問題、テロ対策、北朝鮮問題、国際経済問題などで米国は中露の協力が不可欠だ。 それを見越した上での中露の共闘だ。 今度のスノーデン亡命劇もまさしく中露の共闘だ。 今度こそ米国の一極支配を崩す事ができるかもしれないと中露が自信をつけてきたと見ても不思議ではない。 果たして米国はどう反撃するのか。 「選択」の記事はそこで終っている。 しかし私はこの記事を読んで、大袈裟に言えば、スノーデン事件は、揺ぎないと思われてきた米国一極支配がこのまま続くかどうかのいわば歴史の分水嶺で起きた事件であると、あらためて思うのである。 米国の一極支配が続いても続かなくても、もはや日米同盟だけを唱えている日本ではダメなのだ。 国際政治はますます自国を優先する覇権主義が表面化していくに違いない。 そんな中で、日本がとるべき道は憲法9条を掲げた自主・平和外交しかない。 それは当然の帰結なのだ。 そこに気づく事なく、憲法9条を変えて防衛力を強化しようとする。 しかもこれまで以上に対米従属を強めようとする。 これでは日本は漂流するばかりだ。 スノーデン事件は図らずも米国追従しか選択氏枝のない日本外交の無能振りを見せつけたのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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