□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月1日第569号 ■ ============================================================= 破綻した裁判員制度 ============================================================== きょう8月1日の読売新聞が一面トップで書いていた。 裁判員制度の一部を変更し、「精神的負担」を感じる者に対してはそれを理由に裁判員を辞退する事が認められるように柔軟に対応すると。 この変更のきっかけになったのは、今年5月に裁判員をつとめた60歳代の女性が、強盗殺人事件の裁判で遺体の写真を見せられて急性ストレスを起こし、国家賠償請求訴訟を起こしたからだ。 私はこの「柔軟な対応」を歓迎する。 なぜならばそれは裁判員制度の破綻につながるからだ。 私は裁判員制度が出来た時から裁判員制度に反対してきた。 その最大の理由は、裁判員を国民に義務づけたからである。 つまり抽選によって選ばれた国民は、原則として断れなかった。 とんでもないことだ。 これは本人の意思に反して国が国民から行動の自由を奪う人権違反、憲法違反である。 私のように国家に命令されることを何よりも嫌う者にとっては耐え難い制度だ。 徴兵制にもつながる悪制度だ。 なぜこんな馬鹿げた裁判員制度なるものが突如として導入されたのか。 それは、裁判官、検察官、弁護士といった、安保ムラ、原発ムラと同じような司法ムラの住民が、彼らの勝手な論理でつくりあげ、何も分からない政治家を丸め込んで導入した司法改革の一環であったからだ。 この司法改革がいかにいい加減であったかは、弁護士試験合格の近道として設置された法科大学院が破綻したことや、小沢事件で露呈された検察審査会の矛盾で、すでに国民の前では明らかにされた。 とうとう裁判員制度まで破綻することになったということだ。 なぜ裁判員辞退を認めることが裁判員制度の破綻につながるのか。 それは裁判員になるものが偏ってしまうからだ。 まともな国民なら裁判員に指名されて喜ぶものなどいない。 喜ぶ連中は、人を裁いてやりたいとか、裁判官になりたくてもなれなかったような者ぐらいだろう。 そのような者たちばかりが裁判員になったら裁かれる者はたまったものではない。 それを知っているからこそ裁判員制度は抽選で裁判官を選ぶことにしたのだ。 そして抽選で選ばれた者は原則として拒否できないとしたのだ。 もし誰でも自由に拒否できるようにすれば、まともな者はほとんど拒否するので裁判員制度が成り立たなくなるおそれがあった。 しかし、現実に裁判員になって犠牲者が出るようになった。 そしてその犠牲者に訴えられるようになった。 だから裁判員辞退を認めざるを得なくなったのだ。 もちろん今度の変更で認められるのは「精神的負担」を理由としたものに限られる。 しかし、一旦例外を求めれば、例外は拡がって行く。 行き着く先は裁判員制度の破綻である。 当初より裁判員制度導入に反対してきた私にとっては歓迎すべきことである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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