□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年7月28日第558号 ■ ============================================================= ODA(政府開発援助)の供与基準は国会で審議、議決すべきだ ============================================================== 予算の決定や法律の成立は、国民から選ばれた国会議員が国会で議論して決める事になっている。 なぜならばそれらの政策は我々の税金をどう使うかに直結する国民的関心事であるからだ。 その事はODAの供与基準についても同様だ。 ODAすなわち政府開発援助は、開発途上国の経済発展や福祉向上に使われるものだから政府に任せてもいいと思われがちだ。 そして日本の援助は、ながらくそのような援助に限定されていた。 ところがいつの間にか、なし崩し的に、日本の援助が政治目的で使われるようになった。 この大きな政策変更が、何の議論もなく官僚の思いのままに行われ、それに対して国民的論議がまったくなされてこなかった事はゆゆしい事だ。 今からでも遅くない。 国会はあらためて日本の援助の基本方針を国民の前で議論し、あらたな基準を法律で確立する必要がある。 私がそう主張するのは、最近メディアで報道された二つのODA供与に疑義を持つからである。 一つは安倍首相が7月27日にフィリピン訪問のお土産として供与した巡視船である。 中国との領有権争いを抱えるフィイピンに対して海上警備能力を高めるためであると堂々と公言して供与している。 これは日本の援助が経済開発や福祉向上にとどまらず安全保障上の理由で供与される事を堂々と認めた初めてのケースである。 こんな重要な援助政策の変更を、納税者である国民は、政府・官僚の一存で好き勝手にやらせてはいけないのである。 もう一つは岸田外相がイスラエルを訪問し、パレスチナ自治区を訪れてそこでパレスチナ支援を行った事である。 このパレスチナ支援は今度が初めてではない。 パレスチナ支援と言えば誰もが反対できない人道援助のように聞こえる。 だからこれまでも当然のようにODAが供与されてきた。 そしてそれがあたかも日本の中東和平貢献策のひとつであるかのように報道されてきた。 しかしパレスチナは一貫してイスラエルの占領下にある植民地であり紛争地域である。 おまけにパレスチナは米国・イスラエルが敵対するガザと米国・イスラエルが懐柔するヨルダン西岸に分かれている。 日本の援助は常にヨルダン西岸に対してである。 紛争地域に援助する事はこれまでのODA供与基準では絶対にしてはならない事であった。 なぜならばその援助は敵対する一方を支援することになり紛争そのものに加担する事になるからだ。 それだけではない。いくら援助しても戦争で破壊され、その援助が無駄になるからだ。 実際のところこれまでの我が国のパレスチナ支援もそのような不都合な支援が多く見られた。 パレスチナ自治区に供与した医療協力がイスラエルの対パレスチナ制裁により病院建設が中断したり、病院に搬入する医療機器が届かなかったりで、中断されたままのプロジェクトがあった。 イスラエルの植民地政策により、パレスチナに供与したものがパレスチナに敵対し、イスラエルを利する援助に終わったものもある。 しかし、そんなことはお構いなしに、日本のパレスチナ援助は供与した後はほったらかしだ。 我々は、我々の税金で供与される日本の政府援助について、もっと関心を持たなくてはいけない。 メディアは日本の援助の行き着く先を国民に教えなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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