□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年7月16日第525号 ■ ============================================================= 中東の新秩序建設に苦しむ米国・イスラエル ============================================================== 世界の政治・経済状況が歴史的な混乱の時代に突入している事については誰も異論はないだろう。 あらゆる国で反政府デモの動きが見られる。 あらゆる国で貧富の格差が大問題になっている。 グローバリズムが進む一方で、国際金融・貿易体制が崩壊し、新しい体制づくりが不透明なまま漂流している。 そのような混乱の中で、もっとも深刻な旧秩序の崩壊は何かと問われたら、私はためらいなく中東秩序の崩壊をあげる。 なぜならばそこには戦争という絶対的な暴力が存在するからだ。 1948年のイスラエル建国以来、中東ではいわゆる中東紛争が繰り返されてきた。 それが圧倒的なイスラエル優位に傾いたのは1978年のエジプトの単独イスラエル和平だった。 その後イスラエルとの外交関係を始める中東諸国が増え、そして1990年の湾岸戦争を契機として、湾岸諸国が完全な親米従属路線となった。 もちろん、その間にも、米国・イスラエルに反発する武装抵抗は続いた。 しかしことごとく抑え込まれ、かつての反米・反イスラエルのアラブ独裁国家もまた懐柔されていった。 米国・イスラエルによる中東秩序が完成しつつあった。 そんな時に9・11が起きた。 以来、米国のアフガン、イラク攻撃が起き、「テロとの戦い」が米国・イスラエルにとって中東の最大の課題となった。 これは米国・イスラエルにとっては誤算に違いない。 それは9・11がアルカイダの聖戦であるか、米国・イスラエルの内部犯行であるかを問わない。 9・11がアルカイダの聖戦であれば、文字通り米国・イスラエルにとって誤算である。 しかしそれが内部犯行であったとしたらそれもまた誤算だ。 それを口実にテロを壊滅するはずが、テロの反撃に遭って苦しめられているからだ。 そして米国・イスラエルの誤算はさらに続く。 アフガンからは治安のめどが立たないまま腐敗したカルザイ政権を見捨てて撤退せざるをえなくなった。 パキスタンとの関係は悪化の一途だ。 勝利宣言したイラクは10年たった今もテロが日常茶飯事だ(7月16日各紙)。 中東の春はエジプトの親米ムバラク政権を倒し、わずか一年後に軍部による再クーデターが起きたが、それをあからさまに支持できないありさまだ。 傀儡であったシリアのアサド政権が崩壊し、そのシリアには反米過激派が侵入しつつあり体制派、反体制派の内戦に突入した。 イランに至っては、柔軟派のロハニ政権が出来たのはいいが、それでもイスラエルは「越えてはならない一線に達しつつある」といって攻撃を止めようとしない(7月16日読売)。 要するにもはやかつての米国・イスラエル優位の安定的秩序は完全に崩壊し、それに代わるあらたな秩序は見つからないままだ。 数日前のNHKの朝5時のニュースが報じていた。 アジアに配備する予定であった無人偵察機を米国は中東に配備することにしたと。 NHKの早朝5時のニュースは時として驚くようなスクープ報道をすることがある。 これもその一つだ。 これは米国がもはや中東が最も危険な状況になりつつあると見ている証拠である。 中東の混迷はさらに続き、さらに悪化していくに違いない。 米国もイスラエルも、かつて築いた自らに有利な中東秩序を再構築しようとしているが、見つけられないまま、状況はどんどん危険になりつつある。 中東情勢から目が離せない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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