Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

日本の調査捕鯨を正当化する社説を掲げた読売新聞
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年7月15日第519号 ■   =============================================================   日本の調査捕鯨を正当化する社説を掲げた読売新聞    ==============================================================  きょう7月15日の読売新聞が日本の調査捕鯨を正当化する社説を掲げた。  読売新聞がこのような社説を掲げたのは、いうまでもなくハーグの国際司法裁判所で行われている裁判を念頭においてのことだ。  すなわち日本は豪州に国際捕鯨取締条約に反して商業捕鯨まがいの事をやっていると訴えられ、先月26日から口頭弁論が行われてきた。  7月15日―16日に日本側が最後の主張を行い、7月16日に結審するからだ。  判決は半年後とされている。そして国際司法裁判所は第一審制であるからその判決ですべてが決まる。  その判決を前に、日本の勝訴に終わることを期待してこのような判決を掲げたのだ。  しかしこの読売新聞の社説は語るに落ちた内容だ。  「鯨類のすべてが神聖で、絶滅の危機にあるのか。感情的な背景はわかるが、法的・科学的には理解できない」とした日本側の抗弁をそのまま繰り返している。  しかし日本が提訴された理由はそこにはない。  捕鯨そのものの是非はこれまでに十分の議論され、その結果調査捕鯨だけは認めるという形で国際捕鯨取締条約が1986年に結ばれた。  今度の提訴は日本がその調査捕鯨を逸脱して商業捕鯨まがいの事をしているから提訴されたのである。  今度の訴訟の論点は捕鯨の是非そのものではない。調査捕鯨という名の下に、それを逸脱して商業捕鯨まがいの事をしていると訴えられているのだ。  そして日本側はこの提訴理由に対する明確な反論をしていない。  読売新聞の社説もまた明確な反論をしていない。  それもそのはずである。  出来ないのだ。それどころか日本政府は国際捕鯨取締条約に違反している事を認識していながらその網の目を潜ろうとしてきたのだ。  その一義的責任は水産庁にある。  しかし国際条約を主管する外務省の責任も大きい。条約違反という認識がありながら、捕鯨は水産庁の所轄であるから水産庁と喧嘩してまでそれを止めようとしなかったのだ。  おりからロンドン発共同が次のようなニュースを配信していた。  すなわちアイスランドの地元紙はドイツの税関当局が北部ハンブルグの港で、アイスランド発日本行の貨物船が積んでいた鯨肉をアイスランドに返送することを命じたと。  国際司法裁判所がまともな審理をするなら年末にも日本敗訴の判決が下されるだろう。  その場合は日本の南極での調査捕鯨は中止に追い込まれることになる。  日本が国際司法裁判所(ICJ)の訴訟の当事国になるのは国際司法裁判所が1945年に発足して以来初めてだという。  おりしも領土問題で日本は国際司法裁判所に訴えようとする議論がなされている。  そのような重要な問題で日本の国益を争うなら納得が行くけれど、調査捕鯨違反で訴えられて、しかも敗訴濃厚だ。  これは日本外交の敗北であり、戦略ミスである。  読売新聞の社説が書くのはまさしくその事だ。  水産官僚の肩を持って間違った社説を掲げるようでは読売新聞は大手メディアの資格はない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年7月19日に利用を開始した場合、2026年7月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年8月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する