□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月20日第451号 ■ ============================================================= EUと手を組んで米国主導のTPPを牽制する安倍首相? ============================================================== 安倍首相はサミット後にアイルランドを訪問し、19日午前(日本時間19日夜)ケニー首相と首脳会談したという。そして日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の早期妥結を目指す事で一致したという。アイルランドは現在、欧州連合の議長国である。 ここまではきょう6月20日の主要各紙が一様に報じている事だ。 そして日本が欧州連合との経済連携協定交渉を進める事は正しい。 様々な形で動き出している地域自由貿易交渉はについては、あらゆる交渉に同時並行的に参加し、日本の国益のために有利な状況をつくるべきであるからだ。 しかし産経新聞だけが驚くべき解説を書いていた。 すなわち「日本の首相として初のアイルランド訪問にはTPP交渉で米国の要求を牽制する思惑がある」と。 「米国とEUが組んで日本に非関税障壁の撤廃や、さらなる自由化を求めてくる恐れがある半面、日・EUが組んでアメリカンスタンダードに反撃する局面も予想される」と。 そしてその記事を次のような言葉で締めくくっている。 「・・・日本は、EUとのEPAにより日米・EUの通商『三国志』で勝ち残る芽も出てくる。欧州歴訪にアイルランドを入れた安倍首相からは、そんなしたたかな外交戦略が垣間見える」 要するにTPPで米国の思う通りにはさせないぞと安倍首相はもくろんでいるというのだ。 はたしてこの産経新聞の記事は、産経新聞が勝手にそう思い込んで書いている記事なのか。 それとも安倍側近から得た情報に基づいて書いている安倍首相の戦略なのか。 しかし、そのいずれであっても、このような記事が表に出る事は安倍首相にとって決して得策ではない。 なぜならば米国に不要な警戒心、不快感を抱かせるからだ。 安倍首相が本当に日米同盟が最重要だと思うなら、いささかも米国にさからうようなマネをしてはいけない。 米国とはそう言う国である。 日米同盟を重視するなら、あの小泉首相のように100%対米従属に徹するべきなのだ。 少しでも米国に対して懐疑的になったり、警戒心、対抗心を持つようになると、もはや日米同盟を維持することが難しくなってくる。 米国とはそういう国なのだ。 ひょっとして安倍首相はその本心において、米国に言いなりにはならないぞという反発心があるのではないか。 そしてそれはそのまま安倍外交の指南役とされている谷内正太郎内閣官房参与の本心でもあるのだ。 それが対米自立に向かっていくのならいい。 しかし、その本心を隠して見せ掛けの対米従属を貫こうとすれば、安倍首相の対米外交は常に矛盾に満ちた脆弱なものになる。 それを米国に見透かされて米国の安倍不信は続く。 安倍対米外交の前途は多難なものとなる。 その意味で、この産経新聞の記事は、安倍首相にとって「贔屓の引き倒し」の記事になるおそれがある。 産経新聞は余計な事を書いてくれたものだ、安倍首相とその側近は、今そんな思いでこの記事を読んでいるに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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