□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月12日第433号 ■ ============================================================= 「尖閣問題で米国は日本を裏切っていた」という史実 ============================================================== 尖閣問題は日中問題であると同時に、こよなく日米問題である。 この事を誰よりもはっきりと言い当てたのが豊下楢彦教授の「『尖閣問題』とは何か」(岩波現代文庫)であることを私はこのメルマガでかつて紹介した。 つまり米国が尖閣諸島の領土権について「中立の立場」をとるといい続ける曖昧政策こそ、日中間の尖閣領有権問題を解決困難にさせているのだ。 そしてその米国の曖昧政策は、日本と台湾の尖閣領有権問題の原因ともなっている(いわゆる台湾ファクター)事を、やはり豊下教授はその本で教えてくれている。 しかし、その豊下教授でさえも気づかなかった米国の日本に対する裏切りを春名幹男早稲田大学大学院客員教授(元共同通信ワシントン支局長)が見つけた。 そしてその事実を発売中の月刊文芸春秋7月号で公表している。 複雑なその背景を要約すればこうだ。 1971年6月17日の沖縄返還協定調印の直前に、米国は日本が知らないところで台湾と尖閣諸島をめぐって息詰まる交渉を行なっていた。 当時米国は日本と同様に台湾と繊維交渉を行なっていた。 72年に大統領選を控えていたニクソン政権は繊維交渉で成果(対米輸出を自制させる)をあげることを熱望し、そこをついた台湾は次のような提案をした。すなわち「沖縄返還の際、尖閣諸島を返還せずそのままアメリカの施政権下に置くなら繊維交渉で譲歩してもいい」と。 これに対し米国内部で意見が分かれ、尖閣諸島を返還しなければ日本側が反発して沖縄返還交渉の調印がぶち壊しになるとキッシンジャーは主張して最後はニクソン大統領は尖閣諸島の施政権を日本に返還する事を決める。 問題はその後の米国の対応だ。 不満を持った台湾にねじ込まれ、米国は台湾に譲歩して次のような米国の基本方針を台湾側に伝える。 「日本への施政権返還が中華民国(台湾)の(領土)主張を侵害するものではないと信ずる」 ところがその一方で米国は日本に対し、領有権については「日本と台湾との間でよく話し合うべき」問題であると言い始める。 問題はこのような重大問題を米国は沖縄返還交渉の調印直前まで日本側に知らなかったため日本側もその真意を理解せず十分対応でいなかった。 そして当時の日本側関係者も今となってはではほとんど誰もこのような事実の有無を確認できない状況にあるということだ。 そしてニクソン大統領は72年5月に中国を電撃訪問する。 米中国交正常化により台湾の尖閣領有権問題はそのまま中国の尖閣領有権問題となっていった。 春名氏はその記事の最後をこう締めくくっている。 「そもそもアメリカは尖閣諸島の主権返還において「当事国」であったはずだ。それが、日本側に十分な協議も説明もなく、台湾との妥協を強引に進め、最後は台湾との交渉を日本に押しつけた」と。 今からでも遅くない。日本は米国に対してこの事実をつきつけて堂々と要求すべきである。 「米国が尖閣領有権問題で中立的立場を取る事は許されない。尖閣諸島は日本の領土であると明言すべきである」と。 外務省も政治家もそれを米国に求める者がただの一人もいないというのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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