□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月8日第423号 ■ ============================================================= やはり日本は「レーダー照射事件」に正しく対応すべきであった ============================================================== きのう6月7日の日経新聞は、秋田浩之編集委員の手による「真相深層」という特別記事を掲げ、尖閣問題は中国にとっても重荷になりつつある、対日強硬一辺倒の姿勢に変化の芽が出はじめている、という興味深い指摘をしていた。 その記事の中で特に私が関心を持って読んだのが2月上旬に発覚したいわゆるレーダー照射事件についてのくだりである。 すなわちその記事は次のように書いている。 複数の日本政府当局者はこう分析する。様々な情報から判断して、レーダー照射は現場の勇み足だった・・・裏返せば、中国首脳部による軍末端への統制が必ずしもきっちり利いていないことになる、と。 この記事を読んで私は当時の私の書いたメルマガを思い出した。 すなわち私は2013年2月7日のメルマガ第102号「中国のレーダー照射攻撃という敵失を活かせない安倍外交」の中で次のように書いた。 「・・・今度の中国のレーダー照射攻撃が習近平国家主席の命令ではなく中国軍の独断行動であった事はほぼ間違いない。これは中国の失態である。そうであれば日本はその敵失を好機としてとらえ、その敵失に対する最善の対応を政府をあげて追求すべきであった。ところが日本側の対応もまた問題があった。中国側にレーダー照射攻撃の危険性を警告しないまま、いきなり公表に踏み切った。『悪質な事案はすべて公表して国際社会に知らしめる必要がある』というわけだ(2月7日日経)。この判断は習近平国家主席の方針としてレーダー照射攻撃が行なわれた場合には正しい。中国の方から先に武力威嚇を行なったのであるから、その軍事行動を断固として世界に向けて糾弾すべきだ。しかし、それを確認することなく公表した。そしてどうやら中国軍の単独行動の可能性が高い。そうであれば公表は中国の敵失に塩を塗る事になる。中国をいたずらに追い込む事になる。そんな事をして中国との緊張関係を高めるよりも、極秘裏に中国側と話をして事態を封印する。そうすることによって中国に貸しをつくる。そういう外交を目指すべきであったのだ」と。 もちろんレーダー照射攻撃への正しい対応だけで尖閣問題が解決することはない。 尖閣問題をめぐる日中間の関係緊張は、中国がシグナルを送っているように、日中間には領土問題があることを日本も認め、その問題を棚上げする事によって一気に解決が進む。 現下の日中関係の行き詰まりの最大の原因は、そんな先人の外交的知恵を一蹴し領土問題では話し合いの余地はないという原則論を繰り返す外務官僚と、その言いなりになる安倍首相、岸田外相の救い難さにあるのだが、このレーダー照射攻撃の対応も安倍政権の無能さの一つだ。 あの時正しい対応をとっていれば・・・そう思い出させてくれた日経新聞の記事であった(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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