□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月5日第416号 ■ ============================================================= 私は野中発言を評価しない ============================================================== 超党派の訪中団を引き連れた野中広務元官房長官が、訪問先の北京で中国側との会談後に記者会見を開き、そこで尖閣問題で日中間に棚上げの合意があったと発言したらしい。 その発言に安倍首相や菅官房長官、岸田外相が一斉に反発し、そのような外交記録は存在しないと否定した。 私は尖閣領土問題については棚上げ論者である。 棚上げこそが日中間の先人政治指導者たちの叡知であり、唯一の現実的解決策であると思っている。 その限りでは野中発言を評価してもよさそうなものだが、私は今回の野中発言は軽率の極みだったと思う。 もし野中氏が周到な戦略をめぐらしてそう発言したのなら、その戦略は間違っていると思う。 なぜか。 理由はいくつかあるが、その最大の理由は、中国要人との会談の後で北京でその発言をしたからだ。 これでは、たとえその真意が正しくても、中国に迎合したと非難されてしまう。 すかさず中国側はこの野中発言を歓迎した。 すなわち中国外務省の報道官は4日の定例記者会見で「日本政府は野中氏のような人々の呼びかけに耳を傾けるべきだ」と褒め称えた。 この中国側の反応が、善意(本音)の発言なのか日本分断策かはわからない。 しかし、たとえ善意であったとしても、このタイミングで中国側がそう反応する事自体、日本側の反中国勢力の批判の口実となってしまうのだ。 かつて「さらば外務省」を出版して小泉外交を批判した時、私は私用で北京を頻繁に訪れる事があった。 その時中国では私の名前が、あの小泉首相の外交に反旗を翻した外務官僚として知られており、「さらば外務省」が広く中国でも読まれている事を知った。 そして「さらば外務省」を中国でも出版しないかという話を持ちかけられた。 私にはその気はなかった。そのような事をすれば私は売国奴になるからだ。 その時の判断は正しかったと今でも思っている。 ちなみに私は今度の野中訪中団を評価しない。 古賀誠、仙谷由人という野中の子分たちで主導される訪中団だからだ。 何よりも私は野中広務という政治家を信用しない。 彼は加藤紘一を潰し、小沢一郎を潰して自民党政権を守った男だ。 小渕首相が倒れたとき森首相を担ぎ出した5人組みの一人だ。 日歯連の献金疑惑で村岡一人に罪をかぶせて逃げた男だ。 護憲論を繰り返して平和主義者のように振る舞っているが、私との対談から逃げ続ける不明朗な人物だ。 尖閣棚上げ論が、中国を利するというタイミングで出た事もさることながら、野中広務という政治家の口から出た事によって、私はそれを額面どおりには評価出来ないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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