□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月29日第391号 ■ ============================================================== 今頃になって明かされるプーチンを怒らせたTBS記者の質問の背景 ============================================================== 安倍首相が訪露して北方領土問題についてプーチン大統領と共同記者会見に臨んだのは丁度一ヶ月前の4月29日であった。 連休中の事もあってほとんどあの共同記者会見はやり過ごされた。 しかし今でも私が思い出すのはあの時のハプニングだ。 つまり共同記者会見の最後の方でTBSの記者が次のような質問をした。 ロシア政府がどんどんと北方領土でインフラ整備を行い、外国企業の進出を許して実効支配を進めているのに、どうしてロシア政府が北方領土を日本に返還することができるのか、と問いただした。 正確な表現は記憶していないが質問の趣旨はそういうことだった。 プーチン首相は、「引き分け」などというわけの分からない言葉を使ったり、領土領土分割返還の前例などをあげて、あたかも北方領土返還の用意があると見せかけているが、返還の余地などまるでないのではないか、という事をストレートに問いただしたのだ。 それに対しプーチン大統領はあからさまな苛立ちを示し、誰かに唆されてそのような質問をするのなら、それがどういう結果をもたらすかわかっているだろうな、といわんばかりに凄んでみせた。 安倍首相は一言も応えずにあわてて席を立って記者会見は終った。 こんなに重要な出来事があったというのに、それを報じる大手メディアは、当時まったくといっていいほどなかった。 その一方でインターネット上では、共同記者会見をぶち壊した「場を読めない」愚かなTBSの記者という批判だけが溢れていた。 これは明らかに異常なことだと私は当時思ったものである。 TBSの記者が質問したのは、誰もがプーチン大統領に聞きたい事ではなかったのか。 その事を安倍首相はどう考えているのか、と安倍首相にも答えてもらいたい質問ではなかったのか。 なぜ、「よく質問した」、という評価の声が上がらず、批判ばかりされて終ったのであろうか。 なぜ大手新聞はなぜこのような重大なハプニングを報じなかったのか。 そしてきょう5月29日の産経新聞の記事である。 あれから丁度一ヶ月経った5月29日の産経新聞の「赤の広場で」というコラムで、遠藤良介という記者が「マスコミ批判の内実」と題して要旨次のように書いている。 「この記者会見では、露当局が質問数を日露各2問に制限したため、TBSの記者は日本側メディアの取りまとめを代表質問したにすぎない。そもそも、この記者会見でこうした質問が出なかったら、その方が問題ではないだろうか」と。 私が注目したのは、遠藤記者が、「火中のクリを拾う積もりで」当時のマスコミ批判は不当であると書いていることだ。 これな何を意味しているのか。 それは安倍・プーチン首脳会談は北方領土問題で進展があったと見せかけなければならない安倍政権側の事情があり、ネットメディアの中にはその安倍政権の思惑(情報操作)に叶うように働いているネット工作員がいるという事だ。 このTBS記者の批判がネット上で溢れたのは、そのような、雇われ工作員が、安倍訪露の無益さをTBS記者の質問でばらされた事に怒って、意図的にその記者を貶めたのだ。 そして安倍政権と通じている大手メディアの幹部たちは、下っ端記者たちの想定外の質問に驚き、封印しようとしたのだ。 遠藤記者は、ほとぼりが冷めた一ヵ月後に、せめてもの記者の良心として、下っ端記者たちを代表して、あのハプニングの「内実」を書いたのである。 「火中のクリを拾う」とは、単にネット右翼の一斉攻撃を覚悟した事のほかに、権力の思惑に抗して本当の事をばらした覚悟が込められていると私は思う。 久し振りに目にした注目すべきコラムである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加