□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月20日第362号 ■ ============================================================== 「拉致問題の解決」という言葉の正しい定義 ============================================================== どうやら飯島訪朝は失敗に終ったようだ。 安倍首相が飯島参与と直接会って報告を聞こうとしないことからそれが読み取れる。 安倍首相が核、ミサイルと拉致の包括的解決を目指すといい始めたことからそれがわかる。 拉致問題が解決しないなら圧力を維持すると言い始めたことも、以前の状況と変わらない事の証明だ。 しかしその一方で拉致問題の解決を模索していくほかはない。 あきらめるわけには行かないからだ。 果たして安倍首相は今後どのようにして拉致問題の解決に向けて手を打っていくのか。 そこで最も重要になってくるのが「拉致問題の解決」と言う言葉の定義である。 実はここに拉致問題解決の本質がある。 安倍首相の言う「拉致問題の解決」とは次の三原則から成り立っており、それを今度の飯島訪朝でも伝えたらしい。 1.被害者全員の帰国 2.真相究明 3.実行犯の引渡し しかしこれでは「拉致問題の解決」は永久に望めない。 もし安倍首相がネルソン・マンデラの叡知に学ぶなら、少なくとも実行犯の引渡しや処罰は求めるべきではない。 拉致被害者家族もそこまでは求めない。 被害者全員の安否の究明と帰国が実現すればそれでいいに違いない。 この一点さえ納得行く形で実現出来れば、それが「拉致問題の解決」とすべきなのだ。 そしてここからがこのメルマガの本論である。 このボトムラインの「被害者全員の安否確認と救済」についてさえ、それを日朝国交正常化の前提としてはいけないということだ。 すなわち「被害者全員の安否確認と救済」は日朝間で国交正常化した後で、日本の北朝鮮に対する補償(経済協力)の実施の見返りとして同時並行して進めて行く、その事について北朝鮮側と合意を取り付けるように今後の交渉に専念すべきなのである。 なぜか。 被害者全員の安否確認は膨大な時間と外交的駆け引きを要する一大事業であるからだ。 そしてその事を進めていくためには、経済協力というカードを武器に取引をすべきであるからだ。 援助を与える前に真相究明と被害者救済を求めても北朝鮮側が応じるはずはない。 援助を与えた後で真相究明と被害者救済を求めても、援助を食い逃げされる事は目に見えている。 だから同時並行して行なわなければならない。 それを国交正常化した後で行なうのだ。 国交を正常化するということはあらゆる交流が始まるということだ。 その交流を通じて日朝間の話し合いも進む。予期せぬ進展もありうる。 繰り返して言う。 もはや「拉致問題の解決」は小泉首相の平壌宣言のような見せ掛けの合意では済まされない。 国交正常化の後に本格的な解決を目指す、そういう合意を北朝鮮側と取りつけることに集中すべきだ。 北朝鮮側が拉致問題の解決を本気で行なう積もりがあるのなら、その提案に乗ってくると思う。 それに乗ってこないようでは、所詮北朝鮮側との間での拉致問題の解決はありえないということだ。 果たして安倍首相にその提案を行なう叡知と覚悟があるだろうか(了) ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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