□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月8日第328号 ■ ============================================================== 米国防総省年次報告書を歓迎する日本は失望することになる ============================================================== 米国防総省は5月6日、中国の軍事力に関する議会向け年次報告書を公表したという。 その中で中国の主権や領土をめぐる主張は攻撃的で、地域の懸念材料になっていると中国を批判したと報じられている。 これを日本のメディアが大喜びして一斉に報じている。 尖閣問題について米国がこれまでの中立的な立場から日本支持に転じたと期待するからだ。 中国とフィリピンやベトナムが争っている領海権については私の関心事ではない。 私がこの報告書の報道について注目したのは尖閣諸島に関する部分だ。 すなわちその報告書では尖閣諸島の周囲に中国が引いた領海線が不適切で国際法に合致しないと指摘しているという。 私はかねてから書いてきた。 尖閣領土問題は米中間で話し合って決められるべきだ、そして米国は尖閣は日本の領土だと中国に認めさせるべきだ、と。 その理由は尖閣の領有権は戦勝国の米国と中国が話し合ってこそ決まるからだ。 そして米国は尖閣諸島の一部を日本の負担で軍事的に使用してきた以上、日本の領土を中国に認めさせる義務があるからだ。 その意味で私はこの国防総省の報告書を歓迎する。 しかし、ここからが、このメルマガの本題である。 私はこの米国防総省の報告書がオバマ政権の確固とした意思によって書かれ、公表されたものではないと思っている。 つまりこれはあくまでも国防総省の軍事的観点から書かれた報告書どまりで終わると思っている。 国防、安全保障の観点から見れば中国の領海拡張は許しがたい領土拡張政策であるに違いない。 しかしオバマ政権はその事を直ちに中国との関係を悪化させる政治的・外交的問題とする覚悟はないはずである。 尖閣諸島が日本の施政権下にあることをオバマ政権は認めても、日中間の領有権問題には中立を維持する基本方針は崩さないだろう。 それを見透かすかのように中国は即座に反発した。 こういうやり方は中国と米国の相互信頼や協力のためにならず、断固として反対すると。 あたかも米国が中立的立場を逸脱したのは約束違反だと言わんばかりだ。 そしてそのような中国の反応に対しオバマ大統領は沈黙している。 結論から言えば、私はオバマ大統領はこの報告書について言及しないだろう。 これ以上この問題をめぐる騒ぎを大きくしないだろう。 この報告書を知って菅官房長官はさっそく7日の記者会見で歓迎したいと述べ、小野寺防衛相は、中国独自の主張に基づくいかなる言動も受け入れられないと強気発言をしている。 きょう5月8日の産経の社説も、中国は国際法違反を正せと居丈高に書いている。 残念ながら日本はオバマ政権に期待を裏切られるだろう。 日米同盟関係はその程度のものなのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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