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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

新局面に入ったシリア内戦 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年5月7日第326号 ■   ==============================================================     新局面に入ったシリア内戦       ==============================================================  どうやらシリアの内戦は新局面に入ったようだ。  すなわちこれまでのシリア内戦はアサド政権をどのようにして排除して民主的なシリア政権をつくるかが国際社会の最大の課題であった。  そしてアサド政権の徹底抗戦と、そのアサド政権を支持するロシアの反対で、国際社会はアサド政権の排除にてこずってきた。  しかし、今度のイスラエルのシリア爆撃は、それがもはやシリア内戦にとどまらず、米・イスラエルとテロとの戦いに発展するおそれを生じさせた。  米国のイラク攻撃がもたらした中東大混乱の行き着く先である。  私が何度も繰り返して強調しているように、中東情勢はイスラエルの関与なくしては何事も起こりえない。  シリアという国はそれを知っているからこそ、裏でイスラエルとつながっていた。  つまりシリアは反イスラエルのパレスチナ過激派というテロを国内に匿いつつ、それが決定的に反イスラエルに向かわないように監視役を務めるというダブルスタンダードをとってきた。  今度のシリア内戦で米、イスラエルがアサド政権の排除を急がなかった理由も、まだアサド政権は使えると見たからだ。  しかし、シリア情勢はもはやアサド政権の存続を求めないほど混乱し、米、イスラエルもアサド政権を見放し始めた。  シリアが親米、親イスラエル政権になりさえすればアサドは不要だと判断するようになった。  それを察知したアサド政権が、とうとう完全に反米、反イスラエルに舵を切った。  それが化学兵器の使用であり、イラン製ミサイルのヒズボラへの供与容認である。  化学兵器がテロに渡ればイスラエルは危うい。  レバノンのヒズボラにミサイルが渡ればイスラエル全土がヒズボラの射程距離内に陥る。  イスラエルは絶対にそれを認めない。米国はイスラエルのあらゆる自衛措置を認める。  それがイスラエルのシリア爆撃である。  もはやシリア情勢は内戦からイスラエルの安全保障問題に移りつつある。  だから今後の成り行きは予断を許さない。  しかし私はこれがシリア、レバノン、イランを巻き込んだ戦争に発展するとは思わない。  米国、イスラエルとまともに戦っても勝てない事を彼らは知っている。  その代わりテロが本格化するおそれは多分にある。  レバノンのヒズボラはいまやアルカイダ以上に米国がおそれるテロだ。  シリアが混乱すればアルカイダのテロもまた動き出す。  パレスチナ情勢も依然として混迷のままだ。イスラエルのガザ攻撃も続いている。ハマスのテロも動き出す。  テロが本格化すれば米国、イスラエルは勝てない。  中東情勢は米国、イスラエルにとって深刻な事態になりつつある。  そうなればますます日本外交は取り残される。  米国はアジア情勢に関わっていられなくなる。  テロとの戦いにおいても米国は中国の協力が必要となる。  日本は小泉首相のイラク戦争支持以来独自の中東政策を放棄し、米国の言いなりだ。  安倍首相の出番がなくなれば、手持無沙汰の安倍首相はますます9条改憲や国防軍の強化に走ることになる。  とんでもないピント外れの一人相撲である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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