□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月1日第312号 ■ ============================================================== 安倍・プーチン首脳外交の空疎さを正直に書かない大手新聞 ============================================================== 栃木県の地方紙である下野新聞は、日ロ首脳会談の合意を報じる4月30日の記事の中で次のように書いていた。 「・・・対中国、対北朝鮮外交が停滞する現状で、大きな外交得点を期待できるのは対ロシア関係しかないというのが官邸サイドの思惑でもある・・・」 これは注目すべき記述だ。 官邸みずからが対中国、対北朝鮮外交に打つ手がない事を認めているということだ。もちろんここに言及されていないが韓国との外交も行き詰まっている。 行き詰まっているのは対アジア外交だけではない。2月の訪米で取り戻したはずの「日米同盟」関係も上手く言っていないということを官邸は認めているということだ。 それでは官邸の思惑通り、今度の日ロ首脳会談は上手く行ったのか。 大勢の財界人を引き連れてロシアに行ったその経済的成果は知らない。 しかし日ロ関係の最大の懸念である北方領土問題については何の成果も得られなかった事は共同声明から明らかだ。 交渉を再開することで合意したとしても何の意味もない。これまで首脳レベルでさんざん交渉してきたからだ。 次官レベルの交渉を急ぐことで合意しても何の意味もない。 官僚レベルで話し合ったところで政治決断ができるはずはないからだ。 すなわち今度の安倍・プーチン首脳会談では北方領土問題は何の成果もなかったということだ。 それにも関わらず5月1日の大手新聞の社説は失敗とは書かない。 「領土問題に『魔法の杖』はない」(読売) 「戦略的な視点で日ロの未来像を描こう」(日経) 「領土は焦らず着実に」(毎日) 安倍首相と手を握った朝日に至っては「再出発の土台はできた」などと評価している。 なぜ成果はなかったと本当の事を書かないのか。 それは下野新聞が書いているように、日ロ関係で成果がなかったとなると、安倍外交はすべてが失敗になるからだ。 そんな中で産経新聞の社説だけが「かけ声倒れは許されない」と見出しを打って本当の事を書いている。 プーチン大統領は譲歩の姿勢を見せなかった事を認めている。 4月29日に発表された共同声明の表現は10年前にプーチン氏が小泉首相と署名した「日露行動計画」の「相互の受け入れ可能な解決」を模索するという文言と何も変わらないと書いている。 ロシアが経済協力だけを積み上げて領土問題を棚上げする「食い逃げ」を許すなと書いている。 いまや正直なのは産経新聞だけである、と思わせるような記事を産経新聞は時々掲載することがある。 今度の記事もそれだ。 だから産経新聞でも読む価値はあるのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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