□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月26日第300号 ■ ============================================================== 核廃絶の共同声明参加を拒否した日本 ============================================================== わが目を疑うニュースが飛び込んできた。 ジュネーブで開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委において日本代表団が「核の非人道性」を謳った共同声明に賛成しなかったというのだ。 この第一報を私が知ったのは昨日(25日)届いた読者からのメールだった。 そのメールは「日本は核武装に方向転換するつもりですか」という質問だった。 詳細は分からない。翌日の各紙をみて考えようと思った。 そしてきょう26日の各紙を見たら、朝日をのぞいてすべてがジュネーブ発共同を引用したベタ記事扱いでやり過ごしていた。 唯一朝日新聞だけが大きく紙面を割いて特集報道していた。この時だけは朝日を高く評価したいと思った。 その朝日の記事によればこうだ。 すなわち核拡散防止条約再検討会議の第2回準備委員会が24日ジュネーブで開かれ、スイス、南アフリカなど有志国70余が核兵器の非人間性を批判し核廃絶を求める共同声明を発表した。日本は賛同を呼びかけられたにも関わらず参加しなかったというのだ。 その理由は「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存のためになる」という文章の、「いかなる状況下でも」という文言が、日本政府の方針と異なるから削除を申し入れたが受け入れられなかった、だから参加を見送ったというのだ。 驚くべき日本政府の対応である。 唯一の被曝国として二度と核兵器が人類に使われてはならないと世界に率先して言い続けて来た日本であったはずだ。 たとえ米国の核の傘に守られているとしても、この立場は貫いてきいたのではなかったのか。 この政策変更の裏には政治主導があった。その事を朝日の記事は次のように解説してみせる。 すなわち2月の北朝鮮による第3回核実験を受け、安倍首相はオバマ大統領との電話会談で「核の傘による日本防衛」を確認した。岸田外相も4月14日のケリー米国務長官との会談でこの事を確認している。北朝鮮や中国の核の脅威に向かい合わなければならない日本としては「いかなる状況でも」という表現を使う事を認めるわけにはいかないというのだ。 岸田外相はジュネーブで会議に出席する天野万利軍縮大使(筆者註:天野之弥IAEA事務局長の実弟)に声明案の修正を命じた。 それに従って天野大使は交渉を重ねたが受け入れられず参加を見送った。 岸田外相は25日記者団に対し、「時間切れということで発表されてしまった。大変残念だ」と悔しさをにじませたという。 なんという稚拙な政治主導の外交だろう。 またしても安倍首相主導の外交が日本外交を毀損させた。 広島、長崎を始め原水爆禁止を訴える関係者の失望と批判の言葉を朝日は掲載している。 しかしこれは失望や批判だけでは済まされない安倍首相の国益喪失外交である。 もはや日本は世界に向けて唯一の被曝国などといって核兵器廃絶を訴える資格はなくなった。 訴えても70余の共同声明参加国の前では会わす顔がない。 安倍首相の暴走の前になす術のない外務官僚は、小泉首相のイラク戦争賛成に反対できなかったあの時のままである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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