□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月11日第257号 ■ ============================================================== 「カンパ禁止法」の不条理 ============================================================== 国民の知らない間にどんどんと危険な法律がつくられようとしている。 この思いをまた一つ抱かせる記事を今日4月11日の東京新聞に見つけた。 「ニュースの解説」というコラムで「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金提供等の処罰に関する法(通称・カンパ禁止法)」が、いまの国会で提出されたという記事だ。 驚くべきはその内容だ。 知らなかったのだが、テロ行為への資金供与を防止することが目的だというこの法律は既に2002年に作られていたという。 9・11以降の米国の「テロとの戦い」の結果、米国の圧力により、日本は「テロリズムに対する資金供与防止国際条約」を批准したが、それにともなってこの法律は作られていた。 今度の法案はそれを改正して処罰対象を広げ、厳しくするものだという。 テロ資金の対策を講じる政府間組織FATF(金融活動作業部会)から、「日本の現行法には抜け穴がある」と批判されたからだという。 何から何まで米国の言いなりだ。 しかし今度の改正は処罰の対象がテロ計画者の「協力者」から「協力者の協力者」、「そのまた協力者」と、際限なく広がる点が大問題だと東京新聞のその記事は解説する。 たとえば、街頭で「パレスチナの子どもを救え」と募金活動を見かけて寄付したとしよう。 その寄付金の行き先が、めぐりめぐって最終的にパレスチナ自治区ガザの自治政府だったとする。 募金した人は強引に「テロの協力者」とされ、処罰される可能性がでてくるというのだ。 私はこの記事を読んだ時、瞬間的にレバノンで大使をしていた時の実話を思い出した。 レバノンの大蔵大臣がワシントンで開かれる世銀・IMFの閣僚会議に出席しようとしたところ入国を拒否されたという事件が起きた。 その理由は、敬虔なイスラム教徒である大蔵大臣がイスラムの教えに従って例年通り断食開けの寄付を行なったところ、米国の新しい法律により、それがテロ支援活動に看做されたからだ。 例年行なってきているわずかな金額の慈善団体への寄付でさえテロ支援と看做されるのだ。 世銀・IMF総会とえいば大蔵大臣が出席しないとはじまらない。 それでも、いくらレバノン政府が米国政府に交渉しても結局ビザは下りなかった。 私はある夜にその大蔵大臣と晩餐会で一緒になって、あなたはワシントンにいるはずではないのか、なぜここに今いるのか、と訪ねたら、笑いながらビザが下りなかったと教えてくれた。 日本でもこのような事が起こる可能性が出来たということだ。 日弁連国際刑事立法対策委員長の山下幸夫弁護士が語っている。 「条文があまりに曖昧で、法律の体をなしていない。そんなトンデモ法案が、テロ対策の大義名分によって、十分な審議もなく通されようとしている」 なんでもかんでも米国の命じるままだ。 そして米国の要求は時としてあまりにも不条理だ。 それでも、頑として応じない。 メディアはもっとこの「カンパ禁止法」の不条理を国民に知らせるべきである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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