□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　　天木直人のメールマガジン２０１３年３月２５日第２１３号
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　　　毎日新聞が暴いた悪しきＮＰＯ法人
　　
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　きょう３月２５日の毎日新聞は一面トップでスクープ報道した。

　すなわち原子力委員会委員の秋庭悦子氏（６４）が設立したＮＰＯ法人に、東電や電気事業連などが毎年多額の事業資金を提供していたことが分かったと。

　秋庭氏が原子力委員に就任したのは２０１０年１月であるという。

　そしてその時点で秋庭氏はそのＮＰＯ法人の理事長を退いて顧問になったという。

　そしてそのＮＰＯ法人は資金提供を受け続けてきたという。

　ここに秋庭氏とそのＮＰＯ法人の悪質性がある。

　私が驚いたのは原発事故が起きた後の２０１１年度も、電気事業連合会から６００万円余を受領し、さらに東電から１６３万円余、日本原子力文化振興財団から約２５０万円受け取っていたという厚顔さだ。

　原発に反対する者たちは、このＮＰＯ法人とその設立者である秋庭悦子という人物に怒りをぶつけなければいけない。

　しかし、私がこのメルマガで指摘したい事はそのことではない。

　ＮＰＯ法人の中には、このＮＰＯ法人のようにＮＰＯ法人という立場を巧みに利用して権力側から資金や情報を受け取り、権力側の手先のような役割をしているものが少なからず存在するという現実である。

　ＮＰＯ法人つまり非営利法人という言葉に騙されて、すべてのＮＰＯ法人は善意の法人と思いがちだ。

　しかし、政府からの補助金や予算目当てに作られたＮＰＯ法人はあまたある。

　最初から権力側の手先となって事業資金を得ようとするＮＰＯ法人すら存在する。

　いったん法人格を認められ、いったん予算が承認されれば、後は自動的に予算を受け取れるという安易なお役所仕事ぶりの現実がある。

　それをいいことにどんどんと予算を手にするＮＰＯ法人がある。

　この記事で指摘された「あすかエネルギーフォーラム」というＮＰＯ法人がそこまで悪質かどうかは知らない。

　しかし少なくとも今回発覚した原子力ムラとの不都合な癒着は、原発被災者に対する背信に違いない。

　全国にあまたある善良なＮＰＯ法人こそがこの「あすかエネルギーフォーラム」というＮＰＯ法人に怒りをぶつけなければならないのだ。

　毎日新聞のスクープ記事は図らずもこの国のＮＰＯ法人の抱える大きな問題に気づかせてくれたのである（了）

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