□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月24日第208号 ■ ============================================================== TPPで砂糖を例外にしようとする米国を知っていましたか? ============================================================== TPPの事がが報じられない日はないほどだ。 そしてこれからTPPの事前協議が始まればますますTPPの事が報じられるだろう。 そしてこれからますます色々なことがわかってくるだろう。 なぜならばTPP交渉は秘密交渉であるからだ。 あまりにも知らされないことが多いからだ。 しかし、秘密交渉以前の問題として、我々はTPPについて初歩的な事さえも何もわかっていないのではないか。 そう思わされる記事を見つけた。 知れば知るほど真面目に論ずるのが馬鹿らしくなるT記事である。 きょう3月24日の朝日新聞が大きく報じていた。 日本では農産品の例外を勝ち取ることがTPPの最大の問題であるかのように騒がれているが、農業自由化を日本に迫る米国が砂糖を「聖域」扱いにしているというのだ。 米国の砂糖業界を保護し続ける事は、砂糖価格の低下を求める米国の消費者からも、またTPP交渉の他の参加国からも強い反発があるという。 それにもかかわらず、米国砂糖生産者の政治力は強く、米政府は保護政策を変えるつもりはないという。 2005年に発効した米豪自由貿易協定(FTA)でも砂糖は関税自由化から除外されているという。 TPPの対象はほとんどが貿易以外の分野であり、だからTPP交渉は貿易自由化交渉が中心ではないということを我々はすでに知っている。 貿易自由化に限ってみても、米国は早々と国内自動車業界を例外扱いしていることも我々は知った。 その上に農産品の砂糖まで保護しているというのだ。 何のために聖域なき自由化だ。 これを要するに米国産業を守って他国の産業に譲歩を迫る自由化交渉ということだ。 しかし、考えてみればこれは当たり前のことであって、まさしくWTOの場で国際的にそんな交渉が毎度繰り広げられてきた。 TPP交渉とはそのような当たり前の交渉の場を米国のごり押しでまた一つ増やしたということだ。 しかしここまで国内的に大問題になった。 もはやその交渉の成り行きを国民は注視することになる。 メディアはその交渉を細かく報じざるを得ない。 安倍政権は不毛な仕事を抱え込んだということだ。 我々は、日本の国益を損ねるような譲歩をしないように、これから始まるTPP事前交渉を監視し続ければいいとうことだ。 これが私のTPPに関する最後のメッセージである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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