□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月17日第122号 ■ ============================================================== 米国に骨抜きにされていた野田民主党政権の武器輸出三原則 ============================================================== 私は次期戦闘機F-35を巡って日本政府が武器輸出三原則をなし崩し的に破ってきた事の危険性を何度もこのメルマガで書いてきた。 その一つとして野田民主党政権が行なった武器輸出三原則の緩和について2月4日のメルマガ第94号で書いた。 すなわち野田民主党政権は2011年12月27日に藤村修官房長官による談話として次のような緩和を発表した。 平和貢献・国際協力に伴う案件は防衛装備品の海外移転を可能とすること、目的外使用、第三国移転を行う場合は日本への事前同意を義務付けること、そしてわが国と安全保障面で協力関係がありその国との共同開発・生産がわが国の安全保障に資する場合はこれを実施すること、などである。 そして私は書いた。 イスラエルへの売却承認は、この「事前の日本の同意」を与えるという事にほかならず、最後は米国の要求を認めることになるのだから事前同意などという条件は所詮無意味なアリバイ作りでしかないと。 ところが実態は米国はこの事前同意さえも拒否していたというのだ。 この驚くべき事実を教えてくれたのは2月16日の産経新聞のワシントン発佐々木類記者の要旨次のようなスクープ記事であった。 日本政府は緩和された武器輸出三原則に従って、日本企業の部品輸出については、輸出先に関する事前協議を米国側に求めたが、米国側は部品の管理権限は米国にあるとの原則を崩さず、事前同意を求める日本側の要請には応じられないと拒否し、日本側は同意を得る事を断念した。今度のF-35のイスラエル売却に際しては、この苦い経験からはじめから米国側に事前の同意を求めることなく例外扱いした・・・ 繰り返して言う。驚くべき敗北主義である。 これでは日本政府が国民に向けてどのような約束しても、米国との関係ではその約束はまったく無意味だということである。 これが対米従属を繰り返して来た日米関係のなれの果てなのだ。 さすがの私もここまでに至っているとは思わなかった。 もはや米国の言う事が我が国の政策であり、すべてであるという事である。 日米首脳会談などは何の意味もない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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